「防災は社会を明るくする!」
 ”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
 ”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
 つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
 発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。

2015年9月27日日曜日

御嶽山の噴火から1年…多くの犠牲を無駄にしないために。



こんにちは。防災アドバイザーの小野修平です。


さて、今日は、「9月27日」ですが、ちょうど1年前の今日、
御嶽山(岐阜県・長野県)が噴火しました。今日は、その話をしたいと思います。


死者・行方不明者合わせて、63名の方が犠牲になったわけですが、
まずは、亡くなった方にご冥福をお祈りするとともに、
ご遺族の方々に心よりお見舞い申し上げます。


この御嶽山の噴火は、戦後最大の犠牲を出した火山災害として、
テレビや新聞で盛んに取り上げられていますが、
私にとっても、大きな意味を持つ災害でもあります。


思い返すと、去年のこの日は、小学校の運動会の手伝いがあり、
終わってから携帯のニュースを見ると、御嶽山が噴火したというニュースが。


もともと、防災教育に興味があり、毎月のように子供達の前で、
防災に関する実験を見せ、身の守り方などを教えていた私は、
ちょうどこの噴火の6日前にも、火山の噴火実験を行いました。


そこでは、火山の噴火の様子を説明するとともに、
「火山は噴火する前に兆候があるから、噴火する前に避難しよう!」
ということを教えました。


だからこそ、噴火を知った時は、衝撃でした。


兆候はあったのか?避難の呼び掛けはあったのか?
(それと合わせて、子供達に教えていたことは、正しかったのか!?ということも気になりました。)


”マグマの動きを示す、火山性微動の観測がなかったため、警戒レベルの
引き上げは行わなかった” というのが、気象庁の見解です。
(※今回は、火山のメカニズムを解説するわけではないので、詳細は割愛します。)


少し踏み込むと、普段とは違う現象が起きていたのは確かですが、
それが噴火に繋がるのかどうか、という判断はできなかったということです。


つまり、”(普段とは異なる)兆候はあったものの、避難は促されなかった”
これが、御嶽山噴火の実情です。


ですから、当時は、当たり前のように、
「火山は噴火する前に兆候があるから、噴火する前に避難しよう!」
と教えていましたが、現代の科学では限界があり、必ず噴火するという
兆候が捉えられ、さらに、適切に避難を促す呼びかけがあるとは限らない
ということを、身をもって感じたわけです。


そして、この災害のことを調べていて、もう1つ、衝撃的な事実を
知ることになるのです。


それは、噴火した際に、身の守り方を全員が知っていれば、
ひょっとしたら、被害者が出なかったのではないか、ということです。


噴石は噴火の勢いで飛びますが、それが地上に落ちてくるまでに
多少の時間があります。そして、もちろん場所や噴石の大きさにもよりますが、
今回の噴火では、”40秒程度”の時間はあったのではないか、ということです。


つまり、噴石が落ちてくるまでに避難すれば、助かったかもしれないのです。
(※実際、噴火した付近には、多くの避難小屋があります。)


しかし、助かった人と助からなかった人を分けたのは、
噴火後、避難をしたか、避難をしなかったのか、ということです。


実際、亡くなった方のカメラには写真が残っていたりなど、噴火後にその様子を
写真に撮ったり、眺めたりしてしまった方が大多数のようです。
また、噴火に驚き、何が起こったのかもわからず、立ち尽くしてしまった方も
少なからずいたようです。


私は、防災教育の必要性を感じてはいたものの、
そこまで本腰を入れていたわけではなかったので、
自分の中途半端に気づかされ、反省する災害でした。


多くの犠牲になった悲しい災害ですが、その一方で、
 犠牲を無駄にしないために、
  しっかりと災害の教訓を生かし、
   多くの人に伝えていかなければいけない
と思います。


改めて、亡くなったからに哀悼の意を表します。
そして、必ず、教訓を多くの人に伝えていきます。


                                防災アドバイザー 小野修平




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