「防災は社会を明るくする!」
”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。
2016年3月13日日曜日
避難所ってどんなところ!?
本日は、「避難所」についてお話します。
私は、よく市民の方に対して、
「地震の揺れが収まりました。次にどうしますか?」
と聞くと、結構な割合でこういった答えが返ってきます。
「まず、避難所の○○小学校へ行く。」と。
答えとしては、「×」です。
避難所というのは、原則として
「自宅で生活することができない人」が生活をする場所です。
なので、まずは、家族の安否確認をし、自宅の安全確認をします。
そして、近所にも目を配ります。
ここで、もし、家屋や家具の下敷きになっている人がいれば、救出です。
怪我人や病人がいれば、すぐに応急手当をしなければなりません。
病院や医療救護所で診てもらうべき人がいるならば、搬送が必要です。
そして、火災が発生すれば、消火をしなければならないでしょう。
もし、沿岸部での津波の心配や、火災の延焼があれば、避難します。
この後、落ち着いた段階で、自宅で生活できるならば、まずは
自宅で避難生活をすることが原則だと思ってください。
都市部の場合、避難所に全員は入れませんからね。。。
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もう一つ、誤解の無いようにしていただきたいことは、
「避難所は何でもしてくれる場所ではない!」
ということなんです。
避難所に行けば、欲しい情報が手に入り、
水や食料など、必要な物資が手に入ると思っていませんか?
これは、大きな間違いです。
避難所とは、「避難してきた住民どうしが助け合い、
自主的な運営を行いながら、一時的に生活をする場所」です。
こんなことを言うと、「そんなの行政がやればいい!」
という声が聞こえてきそうですが、よく考えてみてください。
災害が発生すれば、あちこちで多くの被害が発生し、多くの対応が
必要です。そして、避難所は、行政が対応しなければならないことの
1つにすぎないのです。それを一から十まで行政がやっていたら、
どんどん対応が遅れていきます。
地域のことは地域住民がやる。避難所の中のことも、避難者でやる。
ということが大切なのですね。
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しかし、いざという時に、避難所の運営を自主的に行う、と言っても、
なかなか簡単にはいかないでしょう。
地域によっては、日頃から避難所を開設するための初動組織が
作られている場合もあります。(私も、最寄りの小学校の組織に所属し、
いざという時は、駆け付けることになります。)
そして、この組織が、学校や行政と協力しながら、避難所の開設をし、
避難所で生活しなければならなくなった方々を受け入れ、
これらの方々で組織された自治組織にバトンタッチをする流れになっています。
ですが、避難所って、もう1つ機能があるんですよね。
それは、「地域全体の防災拠点」であるということです。
自宅で生活する方(=在宅避難者)であっても、水や食糧、その他生活物資の
支援が必要な場合だってあります。また、あらゆる情報が必要な場合も
あります。
そんな時、避難所が核となって、地域全体の復旧・復興を目指していく
体制が取られていきますが、これを避難所に入っている避難者に全ての運営を
任せるのは、もちろん間違えています。
一部の人間に負担が大きくかかってしまうと、復旧・復興はどんどん遅れていき、
いずれ、それが自らの身に振りかかってきてしまいます。
ですから、避難所というのは、地域みんなで作り上げていかなければ
いけないというものなのです。
実際、阪神淡路大震災や東日本大震災で避難所運営に当たられた方の
お話を聞くと、秩序が無い避難所では、トラブルも多く発生し、さらに、
支援も乏しく、そして、復旧・復興がどんどん遅れていったようです。
いつ来るかわからない災害ではありますが、身の回りの対応はもちろん、
地域のために出来ることを、出来る分だけやることで、自分のためにも、
周りのためにもなるんだという認識を持っていただけると幸いです。
<今日のまとめ>
「避難所」とは、
○「自宅で生活することができない人」が生活をする場所
○何でもしてくれる場所ではない
○避難してきた住民どうしが助け合い、自主的な運営を行いながら、
一時的に生活をする場所
○地域全体の防災拠点
○地域みんなで作り上げていかなければいけないもの
防災アドバイザー 小野修平
2016年3月12日土曜日
一人一人がちょっとずつ防災をやれば…
こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です!
私は、現在住んでいる地域において、
・子供達への防災教育
・避難所運営
を二大柱として、ボランティアとしての
活動もしております。
その中で、地域の方々と共に、
災害時に速やかに避難所を開設し、
少しでも良い環境の避難所を提供
できるよう、日々準備を進めています。
と言っても、一緒にやっている住民も
災害経験が少なく、知識も技能もまだまだ
不足している現状だということから、
私が防災上必要だと思う話をすると、
こういうことを言われます。
「小野さんは、先のことを考えすぎ。
我々は素人だから、進みすぎないで。」
まあ、私がアドバイスをさせていただく際、
決して焦っているわけではありませんが、
現状を踏まえ、最終的に目指す目標をお話し、
その上でどういうステップを踏んでいく
べきかということをお伝えするような
話し方をしているので、たまに、
このような反応をされる方々がいらっしゃいます。
しかし、私は何の根拠もなく、アドバイスを
しているわけではありません。
過去には何度も災害があり、その度に、
多くの被害と共に、多くの教訓を得ています。
一方で、社会状況は急速に変化しているものの、
防災対策は変化せず、社会に合っていないものも
多く存在しているのも事実です。
そういった過去の教訓だったり、
現代の社会に合った対策を実施しなければ、
次に起こる災害も、また多くの犠牲や被害を
引き起こすことになるのです。
別に、先の見すぎているわけではなく、
本来、そこまでの対策をしておかないと、
結局同じように亡くなる方や苦しむ方を
生んでしまうことになると考えます。
けれど、今の日本の防災対策で一番の過大は
「担い手不足」だと感じています。
とにかく、マンパワーが足りません。
よく、日頃の備えや訓練が重要だと話すと、
「いざという時は何とかなるし、動けるよ」
と仰る方がいらっしゃいますが、
何度も繰り返してきた災害の教訓では、
毎回、何とかなっていないのです。
しかし、暇な人はいません。
みんな、自分のことや家族のことで精一杯で、
とても、地域全体や勤め先の防災なんて
やってられない、というのが本音だと思います。
私は、防災は無理をしてはいけない
と、心の底から思うのですが、
一人一人がちょっとだけ頑張ることで、
世の中の防災対策は大きく進歩します。
例えば、災害時にはトイレットペーパーが
お店の棚から無くなりますよね?
これを、日頃から、4つとか5つとか
家にストックされていればどうですか?
トイレットペーパーパニックに巻き込まれませんし、
多くの家で備えてあれば、被災者以外で
買い溜めが起こらず、本当に必要な被災地に
送り込むことができるのです。
別に、今トイレットペーパーを少し多く
買っておくことは、決して大変なことでは
ありませんよね。そして、少し多くあることで、
普段も、いざという時も「安心」です。
今、避難所に関わり、あれもこれもやらなきゃ!
という現状を身をもって感じていますが、
一人一人がちょっとだけ頑張る、
ということが実践されれば、頑張りすぎる人も
減らせますし、一人一人の防災力が向上するでしょう。
自宅が無事なら、自宅で生活すれば良いのです。
そのための備えも是非とも進めていただきたいと思います。
防災アドバイザー 小野修平
2016年3月11日金曜日
東日本大震災の発生から5年。
防災アドバイザーの小野修平です。
今日は、平成28年3月11日。
東日本大震災を引き起こした、
「東北地方太平洋沖地震」の発生から、
今日で5年の月日が経ちました。
まずは、震災で亡くなられた方々に
御冥福を御祈りいたします。
さて、先日、総務省消防庁より、
平成28年3月1日現在の東日本大震災における
被害状況が発表されました。
ちょうど1年前、平成27年3月1日
現在の状況と比較したデータでは、
死者が193名増加したそうです。
これは、「震災関連死」と言われ、災害が発生して
いなければ、”生じえなかった死”とされています。
劣悪な避難生活・被災生活を強いられ、その環境下で
持病が悪化したり、新たに病気に罹ってしまい、
亡くなる方が後を絶ちません。
人的被害について、死者・行方不明者を合わせると、
22010人。これだけの尊い命が失われた中で、
希望を持ちつつも、なかなか進まない復興に
言葉では表せないほどの辛さを抱えていらっしゃる方が
多くいることを考えると、胸が痛みます。
私も、一人の日本人として、東日本大震災を忘れないこと、
そして、今もなお苦しんでいる方が多くいらっしゃることを
胸に刻みながら生活しなければ、と思う次第です。
あわせて、私は防災アドバイザーです。
過去の災害から多くの教訓を学び、それを多くの人に
伝えていく使命があると考えています。
日本は、災害に繋がる、地震や津波、火山の噴火、
台風、竜巻などの”自然現象”が多く発生する国です。
その中で、日頃の備えは欠かせません。
「いつかは災害が起こる」と頭の中でわかっていても、
まさか、「今日起こる」「明日起こる」とは誰も思わない
わけですが、「明日は我が身かもしれない」ということを
伝えるとともに、私が目指す、「無理をしない防災」を
多くの人に伝えていこうと思います。
この記事をお読みの皆様。
今日はテレビ各局で多くの震災報道特番が組まれております。
少しの時間でもいいので、テレビを見て、
この瞬間も苦しみながら、一歩一歩、前へ進んでいる人が
いることを知ってください。
そして、自分の身の回りの防災対策を見直し、
不足している部分については、見直すきっかけにする
1日にしていただきたいと思います。
これから、出来る限りのペースで、こちらのブログも
執筆していきますので、皆様の防災対策の一助になれば
幸いです。ご活用くださいませ。
平成28年3月11日
防災アドバイザー
ジョージ防災研究所代表 小野修平
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