「防災は社会を明るくする!」
 ”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
 ”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
 つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
 発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。

2017年2月26日日曜日

【講座報告】西東京市立上向台小学校「ポリ袋クッキングでカレーをつくろう」



防災アドバイザーの小野修平です。
本日は、親子防災教室で講師を務めましたので、ご報告いたします!!


今回は、西東京市立上向台(かみむこうだい)小学校の育成会「ひろがり」さんにお招きいただき、ポリ袋を使用したカレーライスづくりを行いました。
(上向台小学校では、1月15日(日)に青空防災教室として消火器使用訓練を実施しました。その日の模様はこちらから。)


まずは、完成写真からどうぞ。






ポリ袋調理とは、半透明のポリ袋に具材を入れ、あとは沸騰したお湯に入れて煮込むだけでできる調理法であり、もちろん災害時にも役立つのですが、最近では節約術として日常的にも注目されつつあります。


今回はカレーライスだったので、1人分でポリ袋を2枚使います。
1枚はごはん用で、お米とお水を入れます。もう1枚はカレー用で、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、ツナ缶、カレールウ、お水を入れます。
これを、沸騰したお湯に入れ、ごはんは約25分、カレーは約30~35分ほどでできます。






子供が17名(未就学児2名、小1が9名、小2が3名、小3が2名、小6が1名)、主催者を含め大人が14名ということで、定員20名で予定していたため、とても大盛況でした!


しかも、子供のほとんどが小学校1~3年生ということで、包丁やピーラーを使った調理に若干の不安がありましたが、作業を細かく分けてやってみたので、ほぼ時間通りの進行ができました。


包丁を初めて使ったお子さんもいましたが、小1くらいでもきちんと教えれば使えるようになることに驚いていました。
「2分の1個」というのもまだ算数で習っていなくても、調理をしながらであれば子供は一瞬で理解してしまいます。
防災講座ってそういう広がりもあるので、やりがいがありますし、教育学部卒業の私としてはとてもワクワクしてしまいます!






さて、西東京市のような人口が多い地域の場合、避難所の取り組みも大事ですが、避難所に行かなくて良いよう、自宅で生活するための”知識””技術””備え”が大切です。


今回は、家庭で災害を乗り越えるために、”知識”を伝え、”技術”を身に付けさせ、必要な”備え”を気づかせることを重視しながら講座を行いましたが、予想以上の子供達の吸収力に驚かされる一面も。


今日の講座を見学された方から、同じ講座を2か所ほど違う場所でもやってもらいたいというお話もいただきました。


今回のメニューはカレーでしたが、他のメニューや調理法でも、災害時にライフラインが止まった中で生き延びるサバイバル調理術を伝授しますので、ご希望の方はご依頼くださいませ。


ジョージ防災研究所代表 防災アドバイザー 小野修平



2017年2月17日金曜日

西東京市立柳沢中学校のHUG体験を見学しました!



こんばんは!
防災アドバイザーの小野修平です。


先週、2月7日(火)に、西東京市立柳沢中学校にて、中学校1年生の生徒に対して、防災講話をしました。(その模様は、こちらをご覧ください!)


そして、本日は私の防災講話を踏み台にして、中学校1年生の生徒がHUG(避難所運営ゲーム)を体験するということで、見学させていただきました。
田無スマイル大学西東京レスキューバードがHUGの進行や補助を行いました)


中学生ぐらいの子供達は、学校の避難訓練を中心に命の守り方を教わったり、大人に守られて生活していますが、先週の講話で伝えたことは、中学生は、”助けられる存在”ではなく、”助ける存在”であるということです。


本日の冒頭で、副校長から「中学生は?」と問いかけたところ、すぐに「助けられる存在ではなく、助ける存在」という答えが返ってきたので、子供達の成長を感じました。


確実にこの子達は、大人と一緒に地域の一員として、地域のために貢献してくれると確信しました。






さて、HUG(避難所運営ゲーム)を体験されたことのある方はよくご存じだと思いますが、避難者のほとんどに何かしらの特別な配慮が必要で、たくさんの避難者が押し寄せてくる中で、そういった配慮にまで目を向けるのがとても大変です。


しかし、そのような要配慮者(=高齢者や障害者、妊産婦や乳幼児、外国人、傷病者など)に対してどのように対応していいか、中学生がわかる部分もあれば、わからない部分もあったので、今回の取り組みを見ていて、次に繋げていかなければ勿体ない、と感じました。


実際にはある班で、「うつ病」の方に対して、普通教室に入ってもらったのはベストな配慮だと思いましたが、実は「うつ病」が感染するものだと勘違いしていて、普通教室に入れた生徒がいました。その状況をグループの中の誰も止めなかったので、どういう病気なのかを知らないのでしょう。
他にも、知的障害や認知症高齢者あたりの対応には多くのグループで困っていたようです。


しかし、様子を見ていて感じたのは、「中学生は一人ひとりに対して丁寧に向かい合おうとする」ということです。


大人のHUGを見させていただくと、とにかく体育館や普通教室に割り振ることに専念してしまい、そういう方々にどういう支援をしていくかという議論が後回しになったり、適当になってしまう傾向にあります。


一方、中学生のHUGを見ていると、それぞれの要配慮者に対し、どういうことに困り、どういう支援が必要なのかがわからない中、何とかして対応してあげようという姿勢が見られました。


これは中学生の強みです。
そして、この強みをしっかりと繋げていくことが、大人の役割だと感じました。






柳沢中学校では、「防災講話+HUG体験」というサイクルを3年間試してみるそうです。
そのほか、この地区には小中学校だけでなく、都立高校や私立中・高・大、高齢者施設、保育園(福祉避難施設)などが密集しています。
この強みも生かして、連合体構想を考えているとのことなので、私も長い目で応援していきたいと考えています。


そして、こういった防災教育の一環としての取り組みが、他の小中学校にも波及していってほしいです。私も私なりに頑張ります。


ジョージ防災研究所代表 防災アドバイザー 小野修平






2017年2月7日火曜日

【講演報告】西東京市立柳沢中学校「第1学年防災講話」(中学生向け防災教育)



本日は、西東京市にある柳沢(やぎさわ)中学校にて、中学校1年生の生徒に向けて講演を行いました。


今回は、
『もし、私たちの街で大地震が起きたら…-中学生の君にもできること-』
というテーマで、お話しました。






まずは、ちょっとした実験をした後、昨年4月に発生した熊本地震のお話をしました。


平成29年2月1日現在、熊本地震で亡くなられた方は190名ですが、そのうち直接死は50人で、残りは135名が震災関連死(=過酷な避難生活中に体調を崩され、亡くなられてしまった方)とその後の豪雨によって亡くなられた方が5名です。


現在の防災対策というと、家屋の耐震化や家具の固定、ガラスの飛散防止などが強く訴えられがちですが、それとともに、数週間、数カ月の避難生活中に、せっかく助かった命を落とさないための備えや対応も重要です。






次に、もし首都直下地震が発生した場合、西東京市の地域特性から、どのような被害が起こりうるのかというお話をしました。


ちょっと押しが弱く、中学生が自分事として捉えられたかと言えば、少し疑問です。
次回、同じような機会があれば、伝え方を工夫したいと思います。


そして、ここで、大事なメッセージを中学生に送りました。


それは、
『中学生の君たちは、助けられる存在ではなく、助ける存在である』
ということです。


これまでは大人から守られながら育ってきた彼らですが、中学生となった今、地域の大人たちと一緒になって、地域のために貢献できる能力があります。


この言葉を伝えた瞬間、約4分の1くらいの生徒の目が変わったのを実感し、鳥肌が立ちました。






ここからは一気に、話のラストスパートをかけました。


2月17日(金)にこの学年は地域の大人たちと一緒に、HUG(避難所運営ゲーム)の体験を実施します。


その前振りとともに、”中学生にできること”として、①避難所でのお手伝と、②要配慮者へのサポートの2つを挙げました。


どちらの話題についても、少しずつヒントを与えておいたので、来週のHUG体験の際には、とても良い気づきをしてくれるのではないかと、期待しています。




それと、驚いたのは、終了後に一人の女子生徒が駆け寄ってきて、「質問いいですか?」と聞いてきたのです。


自宅でペット(犬)を飼っているとのことで、”避難所では受け入れてもらえるのか””もし受け入れてもらえない場合はどうすれば良いのか”ということを聞かれました。


西東京市の場合、避難所でのペットの受け入れは各避難所ごとに判断することになっていることと、まずは自宅でペットも含めて生活(在宅避難)できるための備えをしておくことをアドバイスしました。


来週のHUG体験については、私も見学させていただくことになっているので、またブログにも様子をアップしたいと思います。


ジョージ防災研究所代表 防災アドバイザー 小野修平