「防災は社会を明るくする!」
 ”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
 ”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
 つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
 発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。

2018年3月31日土曜日

学校安全の必修化について


本日は、学校安全の必修化について、書きたいと思います。
なお、詳しいことは後日、きちんとした記事にする予定ですので、今日は思ったことを書くだけにします。


これまで、学校の先生になるための教員養成課程において、防災を含む「学校安全」という分野についての授業は必修ではありませんでした。
東日本大震災のあと、防災教育や安全教育は、まさしく「生きる力」を育むものだとされ、全ての教科等にも関連するものであることから、一時は学校現場における教科化も含めた検討までされました。
結果的に、この度改訂された新学習指導要領には、教科等で横断的に安全教育を行うことが記載され、ますます安全教育に力を入れていくことが盛り込まれました。


そして、先生の卵を育てる教員養成課程においても、「教育職員免許法施行規則」が改正されたため、2019年度から学校安全に関する授業が必修化されることになりました。


私自身、教育学部を卒業していますが、学校保健安全法に定められている学校安全計画や危険等発生時対処要領の条文を覚えたくらいで、授業で学校安全のことを深く学んだことはありません。


自分の身も含め、子供の安全を守らなければならない教員にとって、交通安全や防犯なども含めた学校安全の学びは必須ですので、今回の必修化には大変期待をしているところです。


そもそも現状の避難訓練などは、逆に子供の命を危険に晒すリスクも多くあるのにも関わらず、その改善が図られないことに危機感を感じています。


東日本大震災は学校管理下で起こった災害ですが、直下型ではなかったため、地震の揺れ自体での被害はそれほど大きくなかったのですが、これまで直下型の地震が学校管理下で起きてなかったことが幸いなことであって、学校管理下でまずは正しく身を守ることができる指導をしていかなければなりません。「想定外」という言葉で片付けられては困ります。


ですから、その一歩として、まずは全ての教員養成の場において、学校安全に触れられることは、とても評価したいと思います。


一方で、単に法律の条文を確認したり、今まで当たり前のように行われてきた避難訓練や防災訓練などの取り組みをあたかも正しいことのように伝えるだけの授業なのであれば、無意味ですし、結局は学生自身がそのまま現場に出ても困るだけです。


近隣だけでも多くの教員養成課程を持つ大学があるため、自分なりにアプローチを掛けてみようとは思いますが、今回の必修化が正しい方向へと導いていかれることを願っております。

ジョージ防災研究所 代表
防災アドバイザー 小野修平




2018年3月27日火曜日

【報告】西東京市社会福祉協議会主催防災講演会「東日本大震災を忘れない」



去る3月2日(金)、西東京市社会福祉協議会主催で行われた防災講演会の模様をお知らせいたします!


この講演会は、東日本大震災の原発事故により、西東京市に避難されている方々への支援事業の一環として行われたもので、『東日本大震災を忘れないー西東京市で起こる災害とは?ー』というテーマでお話をさせていただきました。


当日は、平日の昼間にも関わらず、東日本大震災の発生から7年を経過するということで、50名の定員を超すほどの来場者があり、和気あいあいとした雰囲気の中、熱心にお話を聞いていただきました。






概ね1時間ちょっとのお話でしたが、前半は被災された方々が最も困ることである「トイレ」について、家庭での備えの方法を伝授しました。


今までのブログでも度々触れているとおり、せっかく助かった命が、過酷な避難生活の影響で亡くなってしまう「震災関連死」が災害の度に問題となっておりますが、その根本にあるものは「トイレの環境」だと私は考えています。


トイレが汚い、臭い、長蛇の列という状況下では、トイレに行きたくなくなりますし、和式タイプの便器や段差があれば、そういったトイレを使うことができない方々もたくさんいます。


すると、多くの方が共通して取る行動は、食事や水分摂取を控えるというものです。そして、食事や水分摂取を控えるため、身体を動かすことも控えるようになり、免疫力が下がっている中、感染症の蔓延や過度なストレスも加わり、人間は簡単に病気になり、場合によっては亡くなってしまうのです。


私はこの一連の問題を、「トイレから始まる負の連鎖」と呼んでいます。


しかし、残念ながら、「災害用トイレ」というものは価格が高いため、必要な数を備えておこうと思うと、なかなか一度には難しい方が多いのではないでしょうか?


そこで、低コストで、かつ、その備えにより、ほかの用途にも使えるような方法をお話させていただきました。






後半では、西東京市で大地震が起きた場合に起こり得ることをお話しました。東日本大震災は「津波災害」+「原発事故災害」でしたが、西東京市で起こり得ることを知っておくことはとても大事なことです。


また、特に配慮が必要な方々とされながら、災害の度に取り残されがちな「要配慮者」(高齢者や障害者、妊産婦や乳幼児、外国人など)も含め、みんなで助け合い、誰も取り残されない街にするために必要なことについてもお話しました。


先日、講演会を担当された職員さんとお会いしましたが、大変好評だったと仰っていただきました。これからも引き続き、少しずつですが、こういった話をあちこちで展開していけるように、頑張りたいと思います。






また、講演後は「ボンボンロール」という方々による「詐欺防止ソング」の披露や、マリンバとピアノの演奏もありました。


音楽を聴く機会と、防災・防犯の抱き合わせ企画は、とてもナイス♪な発想だと感じます。私も会場で一緒に楽しませていただきました。

ジョージ防災研究所
代表 小野修平

2018年3月6日火曜日

【講座報告】公民館&児童館共催「もしものときのサバイバルクッキング」



平成30年2月21日(水)、西東京市にある「柳沢公民館」と「保谷柳沢児童館」が共催という形で、子ども対象防災講座『もしものときのサバイバルクッキング』を行いました。


「公民館」×「児童館」という、これまた稀な組み合わせも注目です。
当日は12名の小学生が参加してくれました。


当日、急遽参加した小学生は、もちろんエプロンは持っていない…。
そこで、「45Lのごみ袋」「スズランテープ」「養生テープ」「はさみ」で簡易エプロンを作ってしまう児童館の館長はさすがでした!!






さて、今回のメインは、「ポリ袋調理法」を活用した「カレーライスづくり」
ポリ袋それぞれに、ごはんとカレーの具材を入れ、30分ちょっと沸騰したお湯で煮込むことで、カレーライスが完成です♪






このポリ袋調理法は、エコで時短術の調理法と言われており、最悪の状況下ではポリ袋の中に入れる水だけキレイなものを用意できれば大丈夫です。また、蒸発して外に逃げ出すことがないので、少量の水で調理することができます。
飲料水が貴重な災害時の調理法として、有効な方法の一つです。


もちろん、そういった調理法を楽しく体験させるだけでもいいのですが、せっかくの防災講座ですから、2人1組を組ませ、役割分担をしながら協力して、カレーライスを作り、それを2人で分けて食べる、という設定で行いました。






少々言葉のきつい小学生もいましたが、私も教育学部卒業の血が騒ぎつつ、ところどころで指導を入れながら、少しずつ助け合いながらカレーライスづくりに取り組む子供たち。


煮込んでいる30分ちょっとを潰すため、若干小学生には難しいレベルの新聞紙食器も作ってもらいました。
配慮が必要な子供やどうしてもわからない子供には手を差し伸べますが、「何のために、今日は2人1組なの?隣に聞いてみなさい」という言葉を掛けながら、新聞紙食器も全員が完成させることができました。






また、目玉企画として、じゃがりこのポテトサラダもやってみました。
カップラーメンのように、ふたを半分ほど開け、3分の1ほどお湯を入れて2~3分待ち、あとはフォークかスプーンで潰すだけ。


ポリ袋調理もそうでしたが、案の定、じゃがりこのポテサラの説明をすると、「えーーーっ!」という反応。


今回は5種類のじゃがりこを用意し、一口ずつ食べてもらい、1位には3点、2位には2点、3位には1点で投票してもらった結果…






1位:梅ちりめん味(22点)
2位:あらびきWペッパー味(20点)
3位:チーズ(11点)
4位:サラダ・じゃがバター(10点)

という結果に!!!期間限定の味はとても人気でした!!!


最後に、子供たちの感想をいくつかご紹介します♪

「はじめは、ビニールぶくろでごはんやカレーは作れないと思いました。」
「さいしょは、つくれないでしょと思っていたけど、できてびっくりしました。そして、おいしかったので、またそのやりかたで作ってみたいです。」

「よくじゃがりこでつくれるなと思った。」
「あんなやりかたおもいうかばなかったし、ふつうに食べるとおいしくないのがおいしかったから、家でもやりたいです。」

「わからないこともあったけど、友だちにおしえてもらってできたのでよかったです。」
「とてもむずかしくて、皿がたたなかったけど、友だちにてつだってもらってできたのでうれしかったです。」
「はじめはむずかしかったけど、友だちが作っているところを見てできた。」


講座参加者の募集や予算、会場や備品、人的支援など、公民館単体、児童館単体では難しいところを、今回は共催という形でやったので、すんなりと様々な課題を乗り越えることができたように感じます。


その上で、子供たちが助け合い、協力し合いながらカレーライスや新聞紙食器を作り、その食器に盛り付けて、一口目を食べたとき、「うまーーーーーい!」とキラキラした笑顔を見せてくれた時、とても感動しました!!


ジョージ防災研究所 代表
防災アドバイザー 小野修平