前のページに引き続き、まち歩きの模様をお伝えしていきます。
この後、踏切を渡る順路だったのですが、その手前で一旦皆さんを集めました。
そこでお話したことは、車椅子には小さな前輪が2個、大きな後輪が2個ありますが、線路との溝に前輪がはまり込んで抜け出せなくなる事故が起こりうるということです。
これももちろん、災害時に避難のサポートをする時だけでなく、普段からあり得るリスクです。ベビーカーもあり得ますよね。
と言いながらも、前輪が線路の溝にハマり、みんなで大慌て…。
ここで電車を止める羽目にならず良かったです。こういう時に焦ってはいけませんが、さすがにかなり焦りました。
次に、福祉避難施設にも指定されている「ほうやちょう保育園」の裏にある歩道と車道の段差を利用し、車椅子を扱う際の基本的な注意事項と段差の通行方法をお話しました。
別に介護職を養成する講座ではないので、本当に大事な部分だけですね。
その後、消火栓などを確認後、写真を取り損ねましたが、直線ゾーンにて、視覚障害者を誘導する際に使う「手引き」という方法をお話し、実践してもらいました。
お伝えしなければいけないことはたくさんありますが、ひとまず手引きの”基本の姿勢”ができていないと、かなり不安な気持ちを抱かせてしまうので、”基本の姿勢”の習得を中心に、恐怖感が無ければ視覚障害者役の方にはアイマスクをしてもらいました。
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その後、公民館へ戻ってきました。
今回は時間の都合でショートカットした部分があり、そこで見てもらいたかった防災行政無線の話から。
やはり皆さんの印象としては、「普段から聞きにくい」という話でしたが、さらに緊急車両のサイレンやヘリコプターの音で全く聞こえなくなると思います。
そもそも音声による情報伝達では聴覚障害者や加齢による難聴で聞こえづらい方にとって、情報が伝わらないことになります。
そもそも、きちんと聞こえたって、聞き逃すことだってありますからね。全ての人に情報が伝わるように配慮することは大切です。
また、西東京市の避難所の種類(全部で5種類あります)を説明した後、西東京市で最も被害を大きくするものは火災だということをお伝えしました。
むしろ、津波は高いところに避難すればいいですが、火災は消すか、燃えるものが無くなるまで延焼し続けるわけなので、私は津波より火災の方が怖いと考えています。
消火器で初期消火できる限界は天井に火が達するまでと言われますが、だいたい2分30秒で天井に燃え移ります。ですから、各家庭に最低でも1本の消火器は必須です。
また、一般市民が使用できる消火設備の一つとして、「スタンドパイプ」というものもあります。これは道端にある消火栓(黄色い線で囲まれたもの)を開け、スタンドパイプを取り付けてホースを接続すれば消火に使用することができるものです。
今回の講座で共に講師をした「エセナおおた」のお二人によると、大田区では街中にスタンドパイプが備えられており、訓練も頻繁に行われているそうです。私も声を大きくして言っているのですが、なかなか西東京市には浸透せず、とても焦りを感じています。
阪神淡路大震災や先日発生した糸魚川の大火災のような光景を西東京市で見ることがないよう、できる備えはまちづくりの一環として進めたいですよね。
次のページでは、この記事をお読みの皆さんに、この防災講座を踏まえて是非伝えたいメッセージをお伝えします。
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