今回の報告は、中学生に対する防災教育についてです。
5月12日(土)、西東京市立青嵐中学校の2年生が、避難所運営において避難者の受け入れを疑似体験するシミュレーションゲーム「HUG(避難所運営ゲーム)」を体験しました。
これは、田無スマイル大学さん(リンク有)が3年前から青嵐中において実施しているもので、毎度コラボをさせていただいております西東京レスキューバードさん(リンク有)とともに、HUGの実施をサポートさせていただきました。
同じような取り組みは、市内の柳沢中学校でも行っており、過去のブログ記事は下記のリンクからご覧ください!
[平成28年度]
・『【講演報告】西東京市立柳沢中学校「第1学年防災講話」(中学生向け防災教育)』(H29.2.7)
・『西東京市立柳沢中学校のHUG体験を見学しました!』(H29.2.17)
[平成29年度]
・『【講演報告】西東京市立柳沢中学校の防災教育①(防災講話)』(H30.1.31)
・『【取組報告】西東京市立柳沢中学校の防災教育②(HUG体験)』(H30.2.5)
HUGとは、それぞれのカードに避難者の様々な情報が書かれており、カード1枚の大きさが体育館や教室における1人分の面積となっていて、読まれたカード(避難してきた人)を図面上で空いているところへ御案内しながら、時々発生する出来事(イベント)にも対応していくゲームです。
私は柳沢中学校と同様、全グループを回りながら、カードの配置の仕方や出来事に対する対応などを見て、それをまとめていきました。これを休憩時間に進行役に伝え、発表やまとめの参考としています。
中学生のHUGでは、「教える」ではなく、「考えさせる」「気づかせる」ということを重視しており、各グループに配置されたスタッフが、考えたり、気づかせるための問いかけを適宜行っております。
ほとんどのグループでは、「避難者の人数を報告してください」という出来事が起こったあと、すぐに自分達で名簿や受付の必要性に気づいたり、スタッフの問いかけで気付くのですが、中には序盤から名簿や受付の重要性に気付くグループもあり、正直驚かされました。
しかし、実際の場面において、西東京市には発災初期に避難所の開設のリーダーを担う「避難所運営協議会」が設置されておりますし、HUG自体は避難所開設・運営のうち、ごく一部の部分でしかない上、実際の避難所運営協議会の取り組みと乖離していたり、過去の災害では特に配慮が必要な方々(=要配慮者)こそが避難所に行かない、行けない、存在が把握されていない、といった問題が起きていました。
そもそも、中学生にHUGをやる一番の目的は、HUGを通して、防災に対する意識や関心を高め、自分達にもできることを考えたり、配慮やサポートが必要な方々への対応のしかたなどを学ぶことだと考えています。
HUGはそういった教育の観点から考えると、とてもいい教材であり、”正しく”使うことができれば、防災教育に留まらず、最高の教育ツールになると考えています。
青嵐中学校さんには今年初めて関わらせていただきましたが、その点について学校側と認識を共有でき、来年度以降の取り組みについて意見交換ができたことは大きな一歩だと思っています。
今月は3年目の取り組みとなる柳沢中学校さんの取り組みに関わります。また、中学校では、9月に市内の保谷中学校さんにもお声がけいただいております。
これだけの災害大国なのにも関わらず、今現在、防災教育の体系的な整備が追い付いていない現状があります。
引き続き、子供への防災教育の発展に関わりつつ、実践を重ねながら、防災教育の体系化に全力を尽くしてまいりたいと思います。
平成30年7月2日
ジョージ防災研究所 代表 防災アドバイザー 小野修平
TEL:042-452-3193
FAX:042-452-3194
Mail:jyoji.bousai.labo@gmail.com
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