こんにちは。
防災アドバイザーの小野です!
2015年も残すところあとわずか。
個人的には、開業するにあたって、怒涛の1年間、
という感じで、あっという間だった気がいたします。
さて、もうすぐお正月を迎えるわけですが、
皆さん、お餅を食べる機会が多いのではないでしょうか。
私はお餅が好きなので、今からワクワクしています(^^♪
しかし、餅による窒息事故で、救急搬送される事案が
毎年多く発生しています。特に、毎年12月~1月が最も
多くなっています。
東京消防庁(稲城市及び島嶼部を除く)管内だけでも、
平成22~26年の5年間で、571人もの方が
餅などを喉に詰まらせて、救急搬送されているのです。
そのほとんどが、60歳以上が中心ですが、
どの年代であっても、詰まらせてしまう可能性があります。
万が一、喉に何かが詰まった場合、次のようなサイン
(=チョークサイン)を出す場合がほとんどです。
チョークサイン
(東京消防庁HPより)
若しくは、声が出せなかったり、急に顔が青ざめた場合は
喉に物が詰まり、気道を塞いでいる可能性が高い状態です。
【応急手当の手順】
(1)ただちに、助けを呼ぶ。
119番通報や応急手当を1人で行うことは大変です。
家族など身近な人がいる場合は、すぐに知らせましょう!
(2)119番通報とAED搬送の依頼
他に人がいれば、119番通報を依頼してください。
万が一、詰まっていたものが取れたとしても、
気道が損傷している場合もあるため、必ず病院へ
行かなければなりません。
また、気道が塞がれていれば、心肺停止状態に
陥る可能性もありますので、AEDが搬送できる場合は
速やかに搬送を依頼してください。
万が一、他に人がいない場合は、最低限119番通報だけは
速やかに行ってください!!指令室から応急手当の方法を
説明してもらいながら、実施することもできるため、とにかく
119番通報を行うことが大切です!(都内では、救急車が
到着するまでに平均8分ほどかかります。)
(3)(反応がある場合)気道異物除去
咳をすることができる場合は、できる限り咳をさせてください。
咳ができず、窒息している場合は、【背部叩打法(はいぶ
こうだほう)】を実施します。
背部叩打法(東京消防庁HPより)
1)傷病者が立っているか座っている場合は、やや後方から
片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせます。
(傷病者が倒れている場合は、傷病者を手前に引き起こして
横向きにし、自分の足で傷病者の胸を支えます。片手で
傷病者の顔を支えます。)
2)もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と
肩甲骨の間を強く4~5回、迅速に叩きます。
3)回数にとらわれず、異物が取れるか、反応がなくなるまで
続けます。
(4)(反応が無い場合)心肺蘇生法
呼び掛けても反応がない場合や、反応が無くなった場合は、
気道異物除去よりも、心肺蘇生法を優先させてください。
心停止の状態であり、とても危険です。
1)胸骨圧迫
胸の真ん中の位置を、1分間に100回のペースで、
少なくとも5cmの深さまで圧迫をする。回数は30回。
2)人工呼吸
胸骨圧迫30回の後、鼻をつまみながら、人工呼吸を2回行う。
万が一、人工呼吸がためらわれる場合は、胸骨圧迫を続ける。
AEDや救急隊が到着するまで、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を
ひたすら続ける。
3)AEDが到着したら、電源を入れる。
AEDが到着したら、とにかく電源を入れてください。
電源さえ入れてしまえば、あとは音声で案内してくれます。
服を脱がせ、パッドを貼ります。心電図の解析中や電気ショックを
与える際は、決して傷病者の身体に触れないように注意してください。
4)救急隊に引き継ぐ。
お正月早々、救急車で搬送された…なんてことが無いよう、
ゆっくり、良く噛んで、味わいながら食べることが一番ですね!
しかし、万が一、餅などを喉に詰まらせてしまった場合は、
落ち着いて、上記の方法で通報や応急手当を行ってください。
皆様が良いお年を迎えられますように。
防災アドバイザー 小野修平
【参考】
東京消防庁「広報テーマ(2015年12月号)年末年始の救急事故をなくそう」