「防災は社会を明るくする!」
 ”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
 ”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
 つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
 発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。

2015年12月20日日曜日

誰でも避難所運営ができる運営マニュアルとは!?~その①~



こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です。


昨日、地元・西東京市の谷戸公民館において、
地域防災講座「教えて!もしもの避難所」
開催され、50名ほどの市民の方が参加しました。


西東京市には、災害時に避難所となる各公立小中学校に
「避難所運営協議会」という組織が設置されています。


地域住民や学校教職員、市危機管理室(防災を担当する課)、
教育委員会等が参加しています。


普段は、災害発生時に避難所を開設・運営していく際の
ルールづくりを行い、マニュアルを策定し、訓練を実施します。
また、災害が発生すれば、避難所の運営組織(=運営委員会)が
立ち上がるまでの開設作業を中心となって行います。


昨日の講座には、10校ほどの避難所運営協議会をはじめ、
避難所に興味・関心のある市民の方々が参加されました。


この中で、各避難所運営協議会の取り組み報告ということで、
私が所属している碧山小学校避難所運営協議会も発表いたしました。
本日は、どのような発表をしたのか、お話したいと思います!


(一部、文書でもわかりやすいように若干表現を変えています。)


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避難所は、”行政が何とかしてくれる場所”ではなく、
避難者を中心に、「避難所運営委員会」という組織を立ち上げ、
”自主的に運営をしていく場所”です。


しかし、実際は誰が避難することになるかということはわかりませんし、
いきなり避難所運営をしろ、というのは困難なことです。


そこで、平時から「避難所運営協議会」という組織を立ち上げることにより、
いざという時に速やかに避難所を開設し、「避難所運営委員会」
バトンタッチできるように準備を進めています。


そして、この「避難所運営協議会」ではマニュアルを作成しますが、
西東京市が出しているガイドラインに基づいて作成をしています。


しかし、ガイドラインを見た委員の反応は、
「分厚い!」「難しい!」「内容が多い!」「もっと薄くして~!」
といったものでした。


ですが、繰り返し、「こんなことが起きたらどうしますか?」という
やり取りを繰り返していった結果、細かなところまで予め決めておき、
それをマニュアルに盛り込んでおかなければ対応ができない
という結論にたどり着くことができました。


そして、碧山小では、簡単な研修や訓練さえ受ければ、
「誰にでも避難所運営ができる」マニュアルづくりを目指しました!
さらに、「見やすさ」と「わかりやすさ」を重視しました!


また、例えば発災してすぐと、発災して1週間後では、運営する班の
役割も大きく違います。指示系統の一本化という観点からも、当初から
班をたくさん作ることは得策ではありません。


そこで、碧山小では、運営班を2段階に分けて組織します!


第1段階では、総務班、避難者管理班、食事栄養班、生活物資班、保健衛生班を、
第2段階では、総務班から情報連絡班、避難施設班、ボランティア班を、
避難者管理班から要配慮者支援班を独立させます。


加えて、マニュアルを充実させれば、分厚くなってしまうのは避けられないため、
11冊に分冊化することにしています!


1冊目は、発災~避難所運営委員会の設置までを、
2~10冊目は、各運営班毎の運営マニュアルを、
11冊目は、避難所の縮小・閉鎖に向けてを定める予定です。


そして、1冊目のマニュアルには、2つの特徴があります。


1つ目の特徴は、「碧山小学校初動対策本部」を設置していることです!


避難所の開設は、地域住民、市職員、学校教職員が協力しながら
行いますが、同じ作業内容について、それぞれのマニュアルに書いてあり、
それぞれが勝手に動き回ってしまえば、統率が取れなくなります。


そこで、初動対策本部を設置し、全てそこからの指示を出すことにしています。


2つ目の特徴は、チェックリスト方式を採用していることです!


チェックリストには、2種類あり、必ずそのチェックリスト内の作業が
終わらなければ次に進めないタイプと、本部が指示を出した時点で
とりあえずは次の作業に移ることができるタイプです。


前者は、例えば、初動対策本部の立ち上げは必須事項であり、
それが完了しなければ、勝手に備蓄倉庫を開けたりなどの
作業をしてはいけないというタイプのチェックリストです。


後者は、例えば、建物の安全確認などはメンバーを組織し、
送り出す指示さえ本部がしてしまえば、その間にできる作業が
他にもあるため、本部としては次の作業へと移行をし、
後で、安全確認チームが帰ってきたら報告をしてもらうという
タイプのチェックリストです。


このようなマニュアルを作ったことで、マニュアル(チェックリスト)の
使い方を学ぶ研修をした後、訓練を繰り返していくことで、
「誰でも避難所運営ができる」と考えています。


そして、年度末3月頃に、マニュアルの検証も含めて、
避難所開設訓練を実施したいと考えております。


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発表の骨子は以上です。


この発表に対する参加者の反応だったり、
講座の中で出た避難所運営や防災に関する悩みなどについては、
また話が長くなりそうなので、続きはまた次の記事で(^^♪


                      防災アドバイザー 小野修平 


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