「防災は社会を明るくする!」
”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。
2015年12月27日日曜日
【2015/12/26】東京湾を震源とする地震02(12/27・11:23更新)
こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です。
昨晩は、わずか1時間あまりの時間で、
東京湾を震源とする震度1~2程度の地震が5回も発生し、
不安な気持ちになられた方が多くいらっしゃったのではないでしょうか。
私も、万が一に備え、ぐっすり眠ることができず、疲れが取れない
朝を迎えてしまいました…。
それ以降は、震度1以上の地震が東京湾付近では発生しておりませんが、
前半では、「南関東付近で発生する地震のタイプについて」を紹介し、
後半では、昨晩SNSを確認していて、気になったことがあったので、
その辺りの話をしたいと思います。
***
地震というのは、大きく分けると2つの発生メカニズムがあります。
1)地球には十数枚のプレートがあり、海洋プレートは大陸プレートの下に
沈み込んでいきます。その際、海洋プレートは大陸プレートを引きずり込みながら
沈んでいきますが、引きずり込まれていく大陸プレートが限界に達すると、
引きずり込まれた分が跳ね戻され、かなり規模の大きな地震が発生します。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)はこのタイプの地震です。
2)プレート運動により、大陸プレートに圧力がかかると、岩盤に亀裂が入り、
地震が発生します。プレート間地震に比べると規模はそれほど大きくありませんが、
我々が生活している真下で発生することが多いため、こちらのタイプも
被害が甚大になることがあります。阪神淡路大震災などがこのタイプの地震です。
そして、世界には十数枚のプレートがありますが、そのうちの4枚のプレートが
日本付近に存在します。そのうち、首都圏(南関東地域)には、3枚のプレートが
せめぎ合っており、複雑な構造となっています。
次の図は、内閣府が出している資料に一部加筆したものですが、
昨晩の震源の深さは5回とも「20km」でした。
震源の緯度経度から考えると、フィリピン海プレートは深さ30~40km、
太平洋プレートは深さ70~80kmにプレート境界があるため、
上の図で言うと、ビルが立ち並んでいるところの真下付近(黄色い部分)で
発生した地震であると言えると思います。(上の図は、地下の複雑な構造を
簡略化しているものであるため、あくまでも参考として御覧ください。)
つまり、「①地殻内(北米プレートの浅い地震)」であることがわかります。
***
続いて、SNSを見ていて気になった話です。
多くのツイートの中に、東日本大震災が発生する1時間ほど前から
小さな地震が度々発生していた旨のツイートがありました。
だからと言って、東日本大震災は、1)プレート境界の地震であり、
プレートも太平洋プレートが北米プレートに沈み込んでいる場所で
起こった地震であるため、今回の地震と無理に紐づけようとするのは
不適切だと考えます。(ご本人はそういうつもりで発言されていないでしょうが、
そのツイートを見て不安になる方がいらっしゃるといけないので、
念のため指摘しておきます。)
地震研究はここ数十年で本格的に行われ始めているため、
多くの成果がある分野である一方、まだまだわからないことの方が
多い分野であります。ですから、タイプが違い、地下構造も異なる場所の
地震が同じように発生すると断言してしまうのは良くありません。
しかし、今回の震源となった東京湾付近に大きな負荷がかかっており、
その歪みを5回に分けて解消したというのは確かですので、何かの
前兆かもしれず、大きな地震に繋がる可能性は否定できないのは事実です。
何と言っても、M7クラス(阪神淡路大震災がM7.3)の地震が首都圏で
発生する確率は、30年間に70%だと言われております。
来ると思って、備えを確実にしておくことが賢い生き方だと思います。
***
また、SNSを見ていて、もう1つ気になるツイートを見つけました。
どういうツイートかと言うと、ライフラインが止まり、料理が出来なくなると困るので、
慌てて生ものを調理し、鍋に入れておいた、というものでした。
「皆さん、気を付けてくださいね!」というツイートが目立つ中で、実際に
具体的な行動をされているところは評価いたしますが、そもそも調理したものを
鍋に入れたままガスコンロに置いていたら、地震の揺れで床にぶちまけられ、
結局は食べられなくなるのが容易に想像できますよね。
結局、不安になってから慌てて行動をしても、冷静な判断はできず、
無駄な行動をしてしまう可能性が高いということなんです。
私は、混乱されている方が多くいるのを目にしたので、慌てて記事を投稿し、
就寝中に地震が発生した際に身を守るための最低限の備えをご紹介しました。
『【2015/12/26】東京湾を震源とする地震(23:55更新)』
(↑昨晩、緊急で投稿した記事です。)
生ものが調理できなくなる心配よりも、まずは揺れから生き抜くための備えと、
揺れが収まったあと、散らかっている部屋から安全に脱出する備えの方が
最優先です。
不気味な小さな地震が5回続いただけで、冷静な思考が出来なくなる人も
出てしまう中で、本当に大きな災害が発生した際は、大パニックになる恐れを
感じました。そもそも、「気を付けてくださいね!」と言うだけ言っても、
具体的な行動として備えをしておかなければ、太刀打ちできません。
しかし、防災対策ばかりを考えて生活するわけにいきません。
一方で、防災対策は、継続することが大切なのです!
順次、ブログでも次世代型防災対策「無理をしない防災対策」に則った
ノウハウをお伝えしていきますし、年明けの開業後、あちこちでノウハウを
お伝えする講演会等も開催していきたいと思います。
是非、このブログも、一時的ではなく、継続して見ていただければと
思っております。
更新情報は、TwitterとFacebookで流しているので、是非フォローや
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今日も皆様がよい一日を過ごせますように。
防災アドバイザー 小野修平
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