「防災は社会を明るくする!」
 ”災害”は、生活の全てに影響を及ぼします。
 ”防災”は、それらの影響を防ぎ、軽減するために行う営みです。
 つまり、”防災”は、生活の全てに対して行います。
 発想を変えれば、”防災”は生活の全てを豊かに、そして、明るくするチャンスを持っているということです。

2015年12月29日火曜日

お正月、餅による窒息事故にご注意ください!



こんにちは。
防災アドバイザーの小野です!


2015年も残すところあとわずか。
個人的には、開業するにあたって、怒涛の1年間、
という感じで、あっという間だった気がいたします。


さて、もうすぐお正月を迎えるわけですが、
皆さん、お餅を食べる機会が多いのではないでしょうか。


私はお餅が好きなので、今からワクワクしています(^^♪


しかし、餅による窒息事故で、救急搬送される事案が
毎年多く発生しています。特に、毎年12月~1月が最も
多くなっています。


東京消防庁(稲城市及び島嶼部を除く)管内だけでも、
平成22~26年の5年間で、571人もの方が
餅などを喉に詰まらせて、救急搬送されているのです。


そのほとんどが、60歳以上が中心ですが、
どの年代であっても、詰まらせてしまう可能性があります。


万が一、喉に何かが詰まった場合、次のようなサイン
(=チョークサイン)を出す場合がほとんどです。







チョークサイン
(東京消防庁HPより)



若しくは、声が出せなかったり、急に顔が青ざめた場合は
喉に物が詰まり、気道を塞いでいる可能性が高い状態です。


【応急手当の手順】

(1)ただちに、助けを呼ぶ。
119番通報や応急手当を1人で行うことは大変です。
家族など身近な人がいる場合は、すぐに知らせましょう!


(2)119番通報とAED搬送の依頼
他に人がいれば、119番通報を依頼してください。
万が一、詰まっていたものが取れたとしても、
気道が損傷している場合もあるため、必ず病院へ
行かなければなりません。
また、気道が塞がれていれば、心肺停止状態に
陥る可能性もありますので、AEDが搬送できる場合は
速やかに搬送を依頼してください。

万が一、他に人がいない場合は、最低限119番通報だけは
速やかに行ってください!!指令室から応急手当の方法を
説明してもらいながら、実施することもできるため、とにかく
119番通報を行うことが大切です!(都内では、救急車が
到着するまでに平均8分ほどかかります。)


(3)(反応がある場合)気道異物除去
咳をすることができる場合は、できる限り咳をさせてください。
咳ができず、窒息している場合は、【背部叩打法(はいぶ
こうだほう)】を実施します。












背部叩打法(東京消防庁HPより)


1)傷病者が立っているか座っている場合は、やや後方から
片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせます。
(傷病者が倒れている場合は、傷病者を手前に引き起こして
横向きにし、自分の足で傷病者の胸を支えます。片手で
傷病者の顔を支えます。)

2)もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と
肩甲骨の間を強く4~5回、迅速に叩きます。

3)回数にとらわれず、異物が取れるか、反応がなくなるまで
続けます。


(4)(反応が無い場合)心肺蘇生法
呼び掛けても反応がない場合や、反応が無くなった場合は、
気道異物除去よりも、心肺蘇生法を優先させてください。
心停止の状態であり、とても危険です。


1)胸骨圧迫
胸の真ん中の位置を、1分間に100回のペースで、
少なくとも5cmの深さまで圧迫をする。回数は30回。

2)人工呼吸
胸骨圧迫30回の後、鼻をつまみながら、人工呼吸を2回行う。
万が一、人工呼吸がためらわれる場合は、胸骨圧迫を続ける。
AEDや救急隊が到着するまで、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を
ひたすら続ける。

3)AEDが到着したら、電源を入れる。
AEDが到着したら、とにかく電源を入れてください。
電源さえ入れてしまえば、あとは音声で案内してくれます。
服を脱がせ、パッドを貼ります。心電図の解析中や電気ショックを
与える際は、決して傷病者の身体に触れないように注意してください。

4)救急隊に引き継ぐ。


お正月早々、救急車で搬送された…なんてことが無いよう、
ゆっくり、良く噛んで、味わいながら食べることが一番ですね!


しかし、万が一、餅などを喉に詰まらせてしまった場合は、
落ち着いて、上記の方法で通報や応急手当を行ってください。


皆様が良いお年を迎えられますように。


                         防災アドバイザー 小野修平

【参考】
東京消防庁「広報テーマ(2015年12月号)年末年始の救急事故をなくそう」

2015年12月27日日曜日

【2015/12/26】東京湾を震源とする地震02(12/27・11:23更新)




こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です。


昨晩は、わずか1時間あまりの時間で、
東京湾を震源とする震度1~2程度の地震が5回も発生し、
不安な気持ちになられた方が多くいらっしゃったのではないでしょうか。


私も、万が一に備え、ぐっすり眠ることができず、疲れが取れない
朝を迎えてしまいました…。


それ以降は、震度1以上の地震が東京湾付近では発生しておりませんが、
前半では、「南関東付近で発生する地震のタイプについて」を紹介し、
後半では、昨晩SNSを確認していて、気になったことがあったので、
その辺りの話をしたいと思います。


***


地震というのは、大きく分けると2つの発生メカニズムがあります。


1)地球には十数枚のプレートがあり、海洋プレートは大陸プレートの下に
沈み込んでいきます。その際、海洋プレートは大陸プレートを引きずり込みながら
沈んでいきますが、引きずり込まれていく大陸プレートが限界に達すると、
引きずり込まれた分が跳ね戻され、かなり規模の大きな地震が発生します。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)はこのタイプの地震です。


2)プレート運動により、大陸プレートに圧力がかかると、岩盤に亀裂が入り、
地震が発生します。プレート間地震に比べると規模はそれほど大きくありませんが、
我々が生活している真下で発生することが多いため、こちらのタイプも
被害が甚大になることがあります。阪神淡路大震災などがこのタイプの地震です。


そして、世界には十数枚のプレートがありますが、そのうちの4枚のプレートが
日本付近に存在します。そのうち、首都圏(南関東地域)には、3枚のプレートが
せめぎ合っており、複雑な構造となっています。


次の図は、内閣府が出している資料に一部加筆したものですが、
昨晩の震源の深さは5回とも「20km」でした。




震源の緯度経度から考えると、フィリピン海プレートは深さ30~40km、
太平洋プレートは深さ70~80kmにプレート境界があるため、
上の図で言うと、ビルが立ち並んでいるところの真下付近(黄色い部分)で
発生した地震であると言えると思います。(上の図は、地下の複雑な構造を
簡略化しているものであるため、あくまでも参考として御覧ください。)


つまり、「①地殻内(北米プレートの浅い地震)」であることがわかります。


***


続いて、SNSを見ていて気になった話です。


多くのツイートの中に、東日本大震災が発生する1時間ほど前から
小さな地震が度々発生していた旨のツイートがありました。


だからと言って、東日本大震災は、1)プレート境界の地震であり、
プレートも太平洋プレートが北米プレートに沈み込んでいる場所で
起こった地震であるため、今回の地震と無理に紐づけようとするのは
不適切だと考えます。(ご本人はそういうつもりで発言されていないでしょうが、
そのツイートを見て不安になる方がいらっしゃるといけないので、
念のため指摘しておきます。)


地震研究はここ数十年で本格的に行われ始めているため、
多くの成果がある分野である一方、まだまだわからないことの方が
多い分野であります。ですから、タイプが違い、地下構造も異なる場所の
地震が同じように発生すると断言してしまうのは良くありません。


しかし、今回の震源となった東京湾付近に大きな負荷がかかっており、
その歪みを5回に分けて解消したというのは確かですので、何かの
前兆かもしれず、大きな地震に繋がる可能性は否定できないのは事実です。


何と言っても、M7クラス(阪神淡路大震災がM7.3)の地震が首都圏で
発生する確率は、30年間に70%だと言われております。


来ると思って、備えを確実にしておくことが賢い生き方だと思います。


***


また、SNSを見ていて、もう1つ気になるツイートを見つけました。


どういうツイートかと言うと、ライフラインが止まり、料理が出来なくなると困るので、
慌てて生ものを調理し、鍋に入れておいた、というものでした。


「皆さん、気を付けてくださいね!」というツイートが目立つ中で、実際に
具体的な行動をされているところは評価いたしますが、そもそも調理したものを
鍋に入れたままガスコンロに置いていたら、地震の揺れで床にぶちまけられ、
結局は食べられなくなるのが容易に想像できますよね。


結局、不安になってから慌てて行動をしても、冷静な判断はできず、
無駄な行動をしてしまう可能性が高いということなんです。


私は、混乱されている方が多くいるのを目にしたので、慌てて記事を投稿し、
就寝中に地震が発生した際に身を守るための最低限の備えをご紹介しました。


『【2015/12/26】東京湾を震源とする地震(23:55更新)』
(↑昨晩、緊急で投稿した記事です。)

生ものが調理できなくなる心配よりも、まずは揺れから生き抜くための備えと、
揺れが収まったあと、散らかっている部屋から安全に脱出する備えの方が
最優先です。


不気味な小さな地震が5回続いただけで、冷静な思考が出来なくなる人も
出てしまう中で、本当に大きな災害が発生した際は、大パニックになる恐れを
感じました。そもそも、「気を付けてくださいね!」と言うだけ言っても、
具体的な行動として備えをしておかなければ、太刀打ちできません。


しかし、防災対策ばかりを考えて生活するわけにいきません。
一方で、防災対策は、継続することが大切なのです!


順次、ブログでも次世代型防災対策「無理をしない防災対策」に則った
ノウハウをお伝えしていきますし、年明けの開業後、あちこちでノウハウを
お伝えする講演会等も開催していきたいと思います。


是非、このブログも、一時的ではなく、継続して見ていただければと
思っております。


更新情報は、TwitterとFacebookで流しているので、是非フォローや
いいね!をお願いします。


Twitter ⇒ @jyojibousailabo

Facebook ⇒ ジョージ防災研究所


今日も皆様がよい一日を過ごせますように。


                            防災アドバイザー 小野修平

2015年12月26日土曜日

【2015/12/26】東京湾を震源とする地震(23:55更新)



こんばんは。
防災アドバイザーの小野です。


本日22時過ぎ辺りから、東京湾を震源とする震度1〜2の地震が
5回ほど起きております。


いずれも津波の心配はありませんが、ほぼ同じ位置、同じ深さで
ごく小規模の地震が発生しています。


私は、地震研究者では無いので、まだまだ勉強を始めたばかりであり、
これが何か大きなものに繋がるのかは今のところよくわかりません。


TwitterなどのSNSにおいても、不安をお持ちの方が多くいらっしゃるようなので、
寝る前にやっておくべき備えをお伝えしておきます。


【最低限の備え】
・枕元に懐中電灯を置く。停電した場合、足元が見えず危険です。
スマホでもいいですが、停電した場合は充電ができないので、
バッテリーをなるべく消費させないためにも、懐中電灯は常に枕元へ。


・ホイッスルがあればベスト。圧迫されて声が出せなくても、
笛なら吹ける可能性があります。もしくは、携帯電話が傍にあれば
音や光を発することができるので、携帯・スマホも併せて枕元へ。


・スニーカー若しくはスリッパを用意。ガラスが飛散していると
それで怪我をする可能性も。出来ればスニーカーがベストですが、
無ければスリッパを用意しておきましょう。


【就寝中に地震が起きた場合の対処】
もし、寝ている間に強い地震が発生したら、"すぐにうつ伏せ"に!!


というのも、家屋や家具の下敷きになった際に、仰向けだと
肺が圧迫されたりする可能性があったり、自力での脱出が
難しくなります。


一方で、うつ伏せの方が、仰向けよりも自力で脱出できる可能性が
高くなるので、揺れを感じたら、布団や枕で頭を守りながら、
うつ伏せになってください。


何も起こらないことを祈るばかりですが、これを機に、
今一度、就寝中に地震が起きた場合の備えと対処方法を
確認しておくと良いかと思います。


            防災アドバイザー  小野修平


[企業防災シリーズ02]災害発生時の対応を支える三本柱とは!?



こんにちは。
防災アドバイザー企業防災コンサルタントの小野修平です!


今回は『企業防災』シリーズの第2弾です。


まだ前回の記事を読まれていない方は、まずはそちらの記事を
お読みいただけると、内容を理解し易いかと思います。


『[企業防災シリーズ01]企業防災は「BCP」が全てじゃない?』


***


さて、本日は、「災害発生時の対応を支える三本柱」について、
お話したいと思います!!


前回の記事では、東日本大震災後、
BCP(事業継続計画)が大きく注目されている一方で、
『BCP(事業継続計画)は企業防災の一分野でしかない』
ということをお伝えしました。


なぜ、ここを改めて強調するかというと、
災害発生時に事業継続だけを考えていると、会社や社員に
大きなダメージを与えてしまうからなのです!



さて、本日のテーマである「災害発生時の対応を支える三本柱」とは
次の3つです。


1)初動対応

2)事業継続

3)復旧復興


ということで、2)事業継続の前後には、1)初動対応と、3)復旧復興
あるということがお分かりいただけると思います。


***


災害発生時にどのような流れを辿るかを説明すると、
まず、1)初動対応として、地震ならば、揺れている間は身の安全を図ります。
そして、安否確認を実施したり、建物や設備の安全確認を行います。
また、火災が発生すれば初期消火をしたり、瓦礫などの下敷きになった人の
救助、応急手当、搬送をしなければいけません。さらに、ライフラインに
影響があれば、それに対する対応も実施する必要があります。


しかし、本来の2)事業継続の考え方には、1)初動対応の内容が
含まれていません。


2)事業継続を実施するための中核となるのが、BCP(事業継続計画)
ということであり、自社にとって重要となる事業・業務を絞り、そこに全資源を
投入して、会社の存続を目指していきます。


ですが、いくら2)事業継続の対策ばかりを充実させたとしても、1)初動対応
きちんとできなければ、2)事業継続に向けた行動が開始できません。


そもそも、2)事業継続は、自社にとって最も重要な事業・業務に絞って
対策を進め、災害発生時は、その事業・業務を中心に対応をしていくわけなので、
誤解を恐れずに言えば、それ以外の事業・業務の対策は後回しになりがちです。


しかし、最重要事業・業務とそれ以外の事業・業務とで、社員の命の重さに
違いがありますか?もちろん、答えはノーです。


2)事業継続だけに偏った対策を進めていると、全社員の命を守る防災対策が
後回しになる傾向があるため、1)初動対応がきちんと行えるような対策も
同時に進めていく必要があるのです。そうでなければ、2)事業継続を行う資源が
失われてしまうため、会社の存続を考えるのであれば、1)初動対応に対する
対策は急務だと言えるでしょう。


ですから、2)事業継続ばかりに偏り、1)初動対応の対策を疎かにできません!


***


また、3)復旧復興についてですが、これも後回しになっている企業が多いというか、
そもそも、その辺りは全く視野に入っていない企業が多いように思います。


しかし、2)事業継続の特徴を考えてみると、会社の存続に影響を与える
可能性が高い事業・業務に絞っているわけですが、それ以外の事業・業務だとしても、
いつまでも放っておいていいわけではありません。


もちろん、まずは最重要事業・業務に絞って対策を進めていくことは大切ですが、
現在の2)事業継続の考え方からすると、それ以外の事業・業務の対策は
あまり重視されていません。企業防災やBCP(事業継続)の書籍等を見ても、
その辺りを触れているものはほぼ無いと言っても過言ではないくらいなのです。


なので、現在は、2)事業継続を中心に対策を進めていくことは構いませんが、
対策が充実してきた段階で、3)復旧復興についても考えることができれば、
さらに強固な基盤が出来ていくと思います。


***


ここで、これまでの防災対策を振り返ってみます。


東日本大震災以前は、1)初動対応が中心の防災対策が行われてきました。


しかし、東日本大震災では、これまでの1)初動対応中心の防災対策だけでは
太刀打ちできないことが明らかになったのです。


直接的な被害を受けていなくても、サプライチェーンが被災したことにより、
間接的に影響を受け、業績悪化や倒産に追い込まれた企業も多くありました。
また、14時46分という多くの方が就業中の時間帯に発災したことも
大きな背景的要因であると考えられます。


そこで、2)事業継続の防災対策を実施しなければ、今後さらにますます
社会情勢が変化していくことが予想されている中で、会社と社員を守ることが
出来ないだろうと考えられるようになったのです。


しかし、ここで大きな落とし穴があったのです。


先程から言っているとおり、「災害発生時の対応を支える三本柱」には、
本来、1)初動対応2)事業継続3)復旧復興の考え方があります。


ですが、国を中心に出されているガイドラインには、簡単な説明がありつつも、
内容としては、2)事業継続が中心であり、また、セミナーや書籍でも、
2)事業継続がメインで扱われています。


1)初動対応が適切に行われなければ、2)事業継続3)復旧復興の対応が
出来なくなるのですから、1)初動対応も同時に進めておく必要があります。


また、最近言われている2)事業継続は、3)復旧復興の考えが抜け落ちているので、
3)復旧復興も視野に入れた2)事業継続が求められます。


※誤解が無いように申し上げておきますが、もちろん、1)初動対応や3)復旧復興も
視野に入れたセミナーを実施したり、書籍を書いていらっしゃる先輩方は
いらっしゃいます。


***


と、ここまで、企業防災には三本柱があり、このうち2)事業継続に偏っている
傾向があることを説明してきたので、不安を感じている方や、諦めかけている方も
いらっしゃるのではないかと推察しております。


「忙しい毎日の業務の中で、そんな難しい防災対策はできないよ…」という
会社様のために、次回の記事では解決の糸口をお伝えしたいと思います!


                企業防災コンサルタント(防災アドバイザー)  小野修平


2015年12月24日木曜日

いつ天国からのお迎えが来るかわからない…



こんばんはo(^▽^)o
防災アドバイザーの小野修平です!


ジョージ防災研究所の開業まで、2週間をきり、
慌ただしい毎日ではありますが、開業をじわじわと
実感するようになってきた今日この頃でございます。


さて、今日のタイトル、ちょっと不気味でスミマセン…


実はこの言葉は、先日参加した防災講座で聞いた一言です。


※防災講座の模様は、こちらの記事でご覧ください↓↓





さて、どういう方が仰ったかと言うと、
お年は伺っておりませんが、推察するに70~80代の
男性の方でした。


グループ討議の際に一人一人自己紹介をするということで、
そのおじいさんの番になり、切り出した一言が、


「いつ天国からのお迎えが来るかわからない」


でした。


それからは、防災のみならず、地域コミュニティの希薄化や
その他の様々な問題も含め、強い不安をお持ちだということを
仰っておられました。


同じグループには、そのおじいさんと同じような年代の方が
他にも数名いらっしゃいましたが、おじいさんの発言に続き、
他の方々も不安な気持ちを語っておられました。


いざという時に、どのように行動すれば良いのか、
また、誰が助けてくれるのか、といった不安が
あるとのことでした。


よく年配の方からこういう類いの話は聞く機会がありますが、
何度聞いても、何とも言い難い気持ちになりますね…


しかし、行政に全てを任せるわけにはいかないですし、
まずは出来ることを自分達でやってもらわなければならず、
さらに地域の支え合いを充実する必要があります。


しかし、その解決方法を見出している方が少ないのが実情です。


私は、このような住民の悩みを、地域で防災ワークショップを
開催することによって、解決したいと改めて感じました。


単に、講演を聞いたり、ちょっとしたゲームを体験したり、
というワークショップではなく、最終的には住民が立ち上がり、
行政も巻き込むことができるプログラムを構築中です。


従来の地域防災は、講演会や消防署の出前訓練が主流です。


しかし、知識や技能を身につけるだけでは駄目だと思います。


先程ご紹介したおじいさんの発言にもあるとおり、
皆さん、多くの悩みを抱えている状況で、
知識や技能重視の防災では成り立たないと感じます。


一人一人の内側にある主体性を引き出すことが重要です!


防災でこの手の視点を生かした手法は解決されておりませんが、
他の分野では先進的事例が存在しているので、
そちらを参考に、プログラム化したいと思います。


そろそろプログラムが完成しそうなので、実践できる地域探しを
始めていかなければですね。


これから実践を重ねながら、プログラムをより良いものに
していきつつ、皆さんにもご紹介していければと考えています!


                      防災アドバイザー  小野修平


2015年12月22日火曜日

誰でも避難所運営ができる運営マニュアルとは!?~その②~



こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です。


一昨日の記事に引き続き、公民館主催の防災講座の
お話をしたいと思います。


もし、一昨日の記事をご覧になっていない方は、
以下のリンクより読んでください(^^♪


「誰でも避難所運営ができる運営マニュアルとは!?~その①~」


私が所属する碧山小学校避難所運営協議会のマニュアルは、
大変好評でしたが、他の協議会さんの発表も踏まえて、
現段階での「悩み」を整理したいと思います。

【悩み①】人手が不足している

この悩みを抱えていない協議会はありませんね。


まずは、協議会自体の担い手が不足していること。
自治会・町内会などの地域自治組織からの参加者は少なく、
ほとんどが、育成会やPTA、地区委員会、ふれまち住民懇談会等の
学校区単位の組織から参加しているような状況で、
皆さん、他の組織の役員も兼任されているようです。


また、訓練を実施しても、参加住民が少ないため、、
運営の中心的存在になる住民の確保が最大の課題です。


【悩み②】マニュアルが作れない

次に多い悩みは、マニュアルの整備が進まないというものでした。


そもそも、マニュアルを作ることができる人材がおらず、
また、知識や情報が不足し、マニュアルの作成を
現段階では保留(断念)してしまっている学校もあります。


また、マニュアルを作ったとしても、「わかりにくい」
「見にくい」といった問題点があり、活用できていないところも
あるようです。


そこで、多くの学校では、マニュアルよりも訓練を
先行実施しているようですが、あらゆる立場の人が
様々な作業を、普段とは違う状況下でやるのですから、
マニュアルで決めるべきことは決めておかないといけない、
という結論になり、行き詰まっているそうです。


【悩み③】情報がない

マニュアルを作成するにしても、訓練を実施するにしても、
専門的なノウハウが不足しており、行き詰まっている
協議会が多くありました。


【悩み④】お金がない

避難所運営協議会が独自で使用できる予算は現在のところ
ついておりません。よって、ポケットマネーであったり、
育成会、地区委員会等の予算を使っているような状況です。



他にも細かな課題点はありますが、大きなところをまとめました。


私が所属する碧山小学校避難所運営協議会の取り組みが
先進的だと評価していただいた理由は、上記の悩みを
解決するための糸口を見出しているからではないでしょうか。
(※予算が無いことには困っておりますが……)


本協議会では、全国の先進的なマニュアルや訓練の取り組みを参考に
地域の実情に合わせた工夫を常に検討しております。


また、今後は人手の確保として、「地域協力者名簿」を
整備していきたいと考えています。


これまでは、他の協議会と情報交換や交流する機会が
全く無かったため、10校の協議会が集まれたことは
とても大きな進歩です。


そして、今回は参加されていない協議会も含め、
ネットワークを構築することになりました。
これには、他の団体や関心のある市民の方々も参加される予定で
本当に大きな一歩となりました。


今回の講座で改めて感じたことは、
地域住民が自ら立ち上がることの重要性です。


今後も地元に関わりつつ、更なる進展に寄与できればと思います!


                       防災アドバイザー  小野修平


2015年12月20日日曜日

誰でも避難所運営ができる運営マニュアルとは!?~その①~



こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です。


昨日、地元・西東京市の谷戸公民館において、
地域防災講座「教えて!もしもの避難所」
開催され、50名ほどの市民の方が参加しました。


西東京市には、災害時に避難所となる各公立小中学校に
「避難所運営協議会」という組織が設置されています。


地域住民や学校教職員、市危機管理室(防災を担当する課)、
教育委員会等が参加しています。


普段は、災害発生時に避難所を開設・運営していく際の
ルールづくりを行い、マニュアルを策定し、訓練を実施します。
また、災害が発生すれば、避難所の運営組織(=運営委員会)が
立ち上がるまでの開設作業を中心となって行います。


昨日の講座には、10校ほどの避難所運営協議会をはじめ、
避難所に興味・関心のある市民の方々が参加されました。


この中で、各避難所運営協議会の取り組み報告ということで、
私が所属している碧山小学校避難所運営協議会も発表いたしました。
本日は、どのような発表をしたのか、お話したいと思います!


(一部、文書でもわかりやすいように若干表現を変えています。)


---


避難所は、”行政が何とかしてくれる場所”ではなく、
避難者を中心に、「避難所運営委員会」という組織を立ち上げ、
”自主的に運営をしていく場所”です。


しかし、実際は誰が避難することになるかということはわかりませんし、
いきなり避難所運営をしろ、というのは困難なことです。


そこで、平時から「避難所運営協議会」という組織を立ち上げることにより、
いざという時に速やかに避難所を開設し、「避難所運営委員会」
バトンタッチできるように準備を進めています。


そして、この「避難所運営協議会」ではマニュアルを作成しますが、
西東京市が出しているガイドラインに基づいて作成をしています。


しかし、ガイドラインを見た委員の反応は、
「分厚い!」「難しい!」「内容が多い!」「もっと薄くして~!」
といったものでした。


ですが、繰り返し、「こんなことが起きたらどうしますか?」という
やり取りを繰り返していった結果、細かなところまで予め決めておき、
それをマニュアルに盛り込んでおかなければ対応ができない
という結論にたどり着くことができました。


そして、碧山小では、簡単な研修や訓練さえ受ければ、
「誰にでも避難所運営ができる」マニュアルづくりを目指しました!
さらに、「見やすさ」と「わかりやすさ」を重視しました!


また、例えば発災してすぐと、発災して1週間後では、運営する班の
役割も大きく違います。指示系統の一本化という観点からも、当初から
班をたくさん作ることは得策ではありません。


そこで、碧山小では、運営班を2段階に分けて組織します!


第1段階では、総務班、避難者管理班、食事栄養班、生活物資班、保健衛生班を、
第2段階では、総務班から情報連絡班、避難施設班、ボランティア班を、
避難者管理班から要配慮者支援班を独立させます。


加えて、マニュアルを充実させれば、分厚くなってしまうのは避けられないため、
11冊に分冊化することにしています!


1冊目は、発災~避難所運営委員会の設置までを、
2~10冊目は、各運営班毎の運営マニュアルを、
11冊目は、避難所の縮小・閉鎖に向けてを定める予定です。


そして、1冊目のマニュアルには、2つの特徴があります。


1つ目の特徴は、「碧山小学校初動対策本部」を設置していることです!


避難所の開設は、地域住民、市職員、学校教職員が協力しながら
行いますが、同じ作業内容について、それぞれのマニュアルに書いてあり、
それぞれが勝手に動き回ってしまえば、統率が取れなくなります。


そこで、初動対策本部を設置し、全てそこからの指示を出すことにしています。


2つ目の特徴は、チェックリスト方式を採用していることです!


チェックリストには、2種類あり、必ずそのチェックリスト内の作業が
終わらなければ次に進めないタイプと、本部が指示を出した時点で
とりあえずは次の作業に移ることができるタイプです。


前者は、例えば、初動対策本部の立ち上げは必須事項であり、
それが完了しなければ、勝手に備蓄倉庫を開けたりなどの
作業をしてはいけないというタイプのチェックリストです。


後者は、例えば、建物の安全確認などはメンバーを組織し、
送り出す指示さえ本部がしてしまえば、その間にできる作業が
他にもあるため、本部としては次の作業へと移行をし、
後で、安全確認チームが帰ってきたら報告をしてもらうという
タイプのチェックリストです。


このようなマニュアルを作ったことで、マニュアル(チェックリスト)の
使い方を学ぶ研修をした後、訓練を繰り返していくことで、
「誰でも避難所運営ができる」と考えています。


そして、年度末3月頃に、マニュアルの検証も含めて、
避難所開設訓練を実施したいと考えております。


----


発表の骨子は以上です。


この発表に対する参加者の反応だったり、
講座の中で出た避難所運営や防災に関する悩みなどについては、
また話が長くなりそうなので、続きはまた次の記事で(^^♪


                      防災アドバイザー 小野修平 


2015年12月18日金曜日

困った…防災行政無線が聞こえない!




どうも。防災アドバイザーの小野修平です。


エルニーニョ現象の影響による暖冬ということで、
冬らしくない気温だなぁ、なんて思っていたら、
一気に寒くなって、布団から出るのが億劫ですね。


さて、今日は、「防災行政無線」のお話をしたいと思います。


「防災行政無線、って何?」という方もいるかと思いますが、
夕方になると、『子供はそろそろお家に帰りましょうね~』
ということで、音楽やチャイムが流れますよね?


あれは、ほとんどが防災行政無線のスピーカーで
流しているんです、実は。意外と身近なものなんですよね。


そして、この防災行政無線というのは、災害時に
とても重要なツールの1つでございます!


というのも、例えば、自治体からの避難情報などは
この防災行政無線から伝えられます。
(もちろん、テレビのニュース等でも伝えられます。)


しかし、この防災行政無線ってすごく厄介な代物で、
「何を言っているのかわからない!」という市民の声が
よく聞かれます。


しかも、災害時には緊急車両のサイレンがあちこちで
鳴り響いたりしますから、余計に聞こえにくくなります。
さらに、水害や土砂災害を引き起こすような大雨の場合、
その雨音でも防災行政無線の音がかき消されてしまうのです。


「おい、行政!何やってんだ!何とかして!」
こんな声が市民の方からよく聞かれますね。


しかし、ちょっとだけ行政の味方になってあげるならば、
担当者も努力はしています。


もちろん、防災行政無線のスピーカーの増設もやっていますし、
聞こえづらかった地域の方向へスピーカーの向きを変えたりも
しています。ですが、これがまさに”いたちごっこ”状態であり、
スピーカーの向きを変えれば、今まで聞こえづらかった地域では
聞きやすくなる一方で、今度は以前まで聞こえていた地域で
音声が聞きづらくなるという現象が起こっているのです。


かと言って、予算は限られているわけですから、闇雲に
スピーカーを増やすというわけにはいきません。


そこで、今日は皆さんに耳より情報をお伝えしておきますね。


それは、「防災行政無線電話自動応答サービス」というものです!
(自治体によって名称が異なります)


これは、所定の電話番号に電話をすると、防災行政無線で
流れた内容を聞くことができるサービスです。


「お住まいの自治体名+防災行政無線」で検索すれば、
(このサービスがあれば)自治体のHPに繋がるかと思います。
もしくは、直接役所へ問い合わせてみてもいいでしょう。


現在、このサービスが全国的に広がりつつあります。


そして、災害時は役所のホームページにアクセスが集中し、
そのページに辿りつけない可能性もあるので、
お住まいの市区町村にこのサービスがあるならば、
電話帳に登録しておくことをオススメします♪


貴重な税金を使い、いざという時のために整備されている
サービスですから、是非皆さんもご活用ください。


また、とても重要なことですから、もし、お住まいの地域で
この体制が整っていない場合は、役所に要望を出しても
よいでしょう。


さて、是非今すぐに検索をしてみてください。



                     防災アドバイザー 小野修平


☆twitterのフォローをよろしくお願いします。⇒ @jyojibousailabo


2015年12月14日月曜日

[企業防災シリーズ01]企業防災は「BCP」が全てじゃない?



こんばんは!
防災アドバイザーの小野修平です(^^)


さて、今日のテーマは、「企業防災」です。
(これからシリーズ形式で、「企業防災」の正しい理解を
してもらうための記事を執筆していく予定です)


防災活動を熱心に行っている企業に、
「どんな防災対策をしていますか?」という質問をすると、
こんな答えが返ってくることがよくあります。


「うちでは、BCPをやっているよ!」と。


この「BCP」というのは、「Business Continuity Planning」の略で
日本語では、「事業継続計画」といいます。


いや、もちろん、企業防災として、「BCP(事業継続計画)」に
力を入れていることは全く問題はないのです。


しかし、企業さんの中には、
『BCP(事業継続計画)は企業防災の一分野でしかない』
ということを知らずに、満足してしまっている場合があるのです。


それどころか、そもそも「BCP(事業継続計画)」について
正しく理解することなく、取り組んでいらっしゃる場合もあります。


ひどいケースですと、『データのバックアップ支援=BCP』という
あり得ないサービスなんかも世の中にはあったりして、
先日驚いてしまいました。


少し話がそれてしまいましたが、大事なことなので、もう一度言いますが、
『BCP(事業継続計画)は企業防災の一分野でしかない』
ということは、まず念頭に置いていただきたいです。


その上で、『企業防災』には、どういった活動があるのか、
ここで列挙したいと思います。


【企業防災の全て】
①初動対応計画
②事業継続計画(BCP)
③復旧復興計画
④施設の安全対策
⑤物資の備蓄
⑥帰宅困難者対策
⑦地域貢献
⑧防災教育(研修)
⑨防災訓練



先日、ある商工会議所の方にこれを見せたところ、
「こんなにあるのか!!」という反応をされました。


ちょっと多すぎるので、図式化してみると、


企業防災=【計画】+【整備】+【教育・訓練】



となります。


まず、【計画】には、
①初動対応計画、②事業継続計画(BCP)、
③復旧復興計画の3つがあります。


続いて、【整備】には、
④施設の安全対策、⑤物資の備蓄、
⑥帰宅困難者対策、⑦地域貢献
の4つがあります。


最後に、【教育・訓練】には、
⑧防災教育(研修)、⑨防災訓練
の2つがあります。


一つ一つは今後説明していこうと思いますが、
これを見てもらって分かる通り、
『BCP(事業継続計画)は企業防災の一分野でしかない』
ということなんです。


『データのバックアップ支援=BCP』という
BCPそのものを全く理解していない怪しいサービスはさておき、
これら9つの防災対策が全て機能しなければ会社も社員も
守ることは出来なくなります。


会社と社員を守っていくためには、BCPだけに固執せず、
これら9つを上手に回していくことが大切ですが、


これを日々の業務の合間にやるのは大変・・・


しかし、やらなければ、倒産してしまうかもしれない。


ジョージ防災研究所では、企業防災コンサルティングを
行っております。


現在、世の中には9つのうちどれかの防災対策に特化した支援は
たくさんありますが、これら9つ全てをトータルサポートする
専門家やサービスはほとんどありません!!


興味のある企業様、まずはお問い合わせを!
お問い合わせフォームは、[こちら]から。



防災アドバイザー(企業防災コンサルタント) 小野修平




2015年12月13日日曜日

防災は「社会問題の万能薬」!?



こんにちは(^_^)
防災アドバイザーの小野修平です。


本日は、私のビジョンについてお話したいと思います。


身近な方々に、
「起業して防災アドバイザーをやります!」というと、


多くの方が、
「そうね、防災大事だもんね」
と仰います。


私は、この「防災という言葉に過敏に反応してしまいます。


大学の教育学部で教育学を学ぶ中で、子供の問題はもちろんのこと、
家庭や地域が抱える問題にも目を向けてきました。


また、専攻が「社会科」なので、政治や経済、国際問題などからも
多くのことを考えさせられてきました。


だからこそ、教師になって、それらの社会問題に負けることなく、
そして、問題を解決し、社会に貢献できる子供を育てたい、
と思っていました。


しかし、一つ一つの問題の根深さを知れば知るほど、学校教育の限界を
感じてしまった自分がいたのです。


こんなにも多岐にわたる社会問題を解決するためには、もっと多くの
人が立ち上がって、真剣に向き合わなければ、やっていけないと
考えるようになりました。


しかし、自分の身体は一つしかないので、これだけ色んな分野に
広がっている問題を網羅することなんて出来ませんよね。。。


そこで思い付いたのが『防災』なのです!


私は、「災害は社会を映し出す鏡」だと言っておりますが、
その社会が抱える問題の根が深ければ深いほど、
災害による被害は深刻なものになります。


もちろん、一般的に言われている防災対策を淡々と進めることも
大切ではありますが、「防災を考えること」というのは、
「様々な社会問題について考えること」とイコールだと思います。


災害が起きれば、私達の生活全てに影響が生じるのですから、
生活全てに防災対策を講じることは、同時に、その他の
社会問題に対して向き合い、解決を考え、実行することに繋がります。


冒頭で、「防災という言葉に敏感に反応するという話をしましたが、
確かに防災もそれ以外の社会問題もどれも対策が急務です。


一方で、防災ならば、多くの人に様々な社会問題を考えるキッカケも
併せて与えられると信じています。


「防災力向上」は私のゴールではなく、スタートであり、
今後進めていく仕事の基盤であるのです。


防災から、誰もが安心して暮らせる安全な社会を作るとともに、
みんなが生き生きと暮らせるような明るい社会になっていけば
とても嬉しいです!


私のビジョンは、「防災から明るい社会を作る」ことです!!


開業まで一ヶ月をきり、忙しい毎日ですが、頑張りたいと思います\(^o^)/


応援よろしくお願いします。



                          防災アドバイザー 小野修平




2015年11月22日日曜日

なぜ、防災アドバイザーになるの?



こんばんは、
防災アドバイザーの小野修平です!


昨日は、「これまで抱いてきた将来の夢。」というタイトルで、
私の夢をご紹介したわけですが、そんな私がナゼ、
「防災」の講師やコンサルタントを目指そうと思ったのかを
今日はお話したいと思います\(^o^)/


もし、昨日の記事をまだご覧になっていない方は、
ぜひ、そちらもご覧ください!!


http://j-bousailabo.blogspot.jp/2015/11/blog-post_21.html?m=1


さて、21年ちょっと生きてきた中で、ここ10年を振り返っただけでも、
本当にジャンルの違う夢を色々と抱いてきました。


そんな私が、なぜ防災アドバイザーになろうと思ったのか。


発端は、中学校1年生まで遡ります。


東京都には、各消防署の管轄区域毎に「消防少年団」という団体があり、
都内に80団ありますが、この中の西東京消防少年団に入団しました。


最初は、人数が少ないからという理由で声を掛けられ、
あんまり乗り気ではなかった記憶がありますが、
同学年が一人もいなかったせいで中3で隊長に任命され、
その後も準指導者、指導者という形で後輩指導には携わっていました。


そんな中、2011年3月11日に東日本大震災が発生。
この時、私は高校2年生で、もうすぐ3年生になる時期でした。


周りの友達よりは防災教育を受けていたはずなのに、
適切な対応が取れなかったことや、辛い思いをしている方々のために
何かをしたいと思っても、何も出来なかったことに
自分をすごく責めるような日々を送っていました。


それから受験が終わり、大学生になった私は、消防少年団での
指導に力を入れ、共に指導者をやっている方々と、
指導の質を高めるために尽力をしておりましたが、それでもやはり、
将来は教師を目指していたので、防災はオマケのような位置づけでした。


そして、大学2年生になり、大学の友達と子供のための企画を
しようということになり、たまたま出てきた案が防災教室。


この防災教室のお話はまたいつかしようと思いますが、
私達が目指したものは「家庭・学校・地域の連携」であり、
ここで気が付いたことは、「防災を通してアプローチをすれば、
人々の関心を得やすい」ということです。
「子供の安全」というフレーズは、全ての人に受け入れられ、
関係者全員が立ち上がるきっかけになったのです。


そして、この気付きから発想を膨らませてみたところ、
現在、様々な社会課題があって、防災のみならず、
子育て、教育、福祉、環境、防犯、地域コミュニティ等、
多くの分野で多くの方がご尽力されている一方、
頑張っている方は固定化してしまい、なかなか軌道に乗らないという
現状を多く目にしておりました。


しかし、防災以外の分野は、もちろんみんなでやるに越したことは
ないですが、一方で、全員じゃなくても物事は進むことに
気がつきました。これは、各分野でご尽力されている方々に
聞いてみて、共通の課題認識としてわかってきたことです。


その一方で、防災はというと、現状は全員で出来ていないのですが、
いざ災害時を想定してみると、全員でやらないことが逆に
足を引っ張る可能性があると思うのです。それだけ、
災害というもののインパクトが強いと言えるでしょう。


防災はみんなが同じ方向を向き、課題を認識して、
共に行動をしていかなければ、災害に強い体制は作れません!


さらに気が付いたことは、災害というのは日常生活の全てに
影響を与えます。それを逆転の発想として考えてみれば、
日常生活の全てに防災対策が必要であり、防災という切り口で
アプローチをかけていけば、多くの人の関心を惹きつけることが
出来るのではないかと考えたのです。


この気付きはそれまで色々な夢を抱いた末、教員志望だった私に
大きな影響を与えました。


私自身、仕事としてやりたいことがたくさんあるが、
「防災」をツールにしていけば、今までやりたいと思ったことを
全て仕事にすることができるとともに、「防災」ならば、
山積みの様々な社会課題に対してもアプローチができ、
多くの人を振り向かせ、より良い社会に発展できると確信しました!


そして、私の進路は大きく変更。


防災を通して、多くの人と関わり、社会を明るくできる仕事を一生懸命探しました。


しかし、自分が思い描いている仕事がない(;_;)


それならば、「まだ若いし、起業してみるかぁ!」
ということで、防災アドバイザーとしての起業に踏み切ったわけです。


こんな私、
よく「変人」って言われます😁


まあ、自覚はあるので、今日のブログは、
「小野ってやつ、変人なんだなぁ〜」ってことを
思っていただければ、良しとしましょう!


では、また〜


防災アドバイザー  小野修平




2015年11月21日土曜日

これまで抱いてきた将来の夢。



こんばんは。「無理をしない防災」を伝授する、
防災アドバイザーの小野修平です(^-^)/


超〜久しぶりの更新です。
知り合いから、「ブログサボるなよ!」と尻を叩かれ、
二週間ぶりに更新いたします…


さて、今日は自己紹介も兼ねて、
これまで21年ちょっと生きてきた中で
私が抱いてきた「将来の夢」の話をしようかと思います✨


【建築士?大工?】
小学校3年生の頃だったでしょうか。
旅行で行った群馬県のペンションがとても立派な建物で、
「こんなお家に住みたい!」と思ったのをキッカケに、
建築関係に興味を持ちました。それから、新聞広告に入る
住宅物件のチラシを毎日チェックしては、見よう見真似で、
設計図をたくさん書いていた記憶があります。
また、学校の帰り道に大工さんがいて、廃材をもらっては、
ノコギリでギコギコ工作をしていました。今はその大工さんは
亡くなりましたが、我が家に立派な神棚を作ってくださり、
今でも毎日、その神棚に手を合わせております。


【料理人】
小学校4年生になると、よく台所に立っていました。
この頃、ひいおばあちゃんと住んでいたので、料理も教えてもらいました。
自分で作った料理を褒めてもらったことが嬉しくて、
和洋中問わず作っていましたし、ケーキやパンを作ることも。
しかし、未だに盛り付けが超下手っぴで、料理人は無理っすね(・・;)


【パン&ケーキの材料屋】
小学校6年生の時のことです。
先程、ケーキやパンを趣味で作っていたと紹介しましたが、
実はすぐ近所にパン屋さんに材料を納めている商店があります。
また、その繋がりで、自転車で5分程走ったところに、
ケーキの材料屋さんもあります。この二つのお店の方に
すごい可愛がってもらい、商品を仕分けて詰めたり、
夏休みなんかは一緒に配達も行ったりしました。
中学生で職場体験が授業の一環でありましたが、プチ職場体験を
この時に経験して、「働く」ということを身近に感じた経験でした。
お駄賃ということで、500円もらったのですが、この時の感情は
今でも忘れることができません!


【教師】
中学校に入り、今では信じられないと言われますが、
手のかかる生徒だったので、先生方にはたくさん迷惑をかけました。
しかし、先生方はたくさんのことを褒めてくれたし、
間違えたことをしている時は本気で叱ってくれていました。
そんな経験から、次第に落ち着きを取り戻していくとともに、
教師という職業に興味を持ち始めました。このあと、
少しブレる時期もありますが、大学3年生までは教員志望です。


【福祉関係】
昔から、ひいおばあちゃんや祖父母に可愛がられていましたし、
地域活動の一環として、毎年1回、老人ホームへ
訪問した経験も重なり、おじいさん・おばあさんと
関わることが好きでした。第一志望は教員だったのですが、
大学受験の時まで、教員の次に福祉の道も捨てられずに
過ごしていました。


そして、結局は教員養成系の大学へ入学。


大学受験の際は、高校でも先生方に恵まれたので、
教員になりたいという気持ちが強かったものの、
福祉の道に進むことも悩んでいましたが、結局大学は
教育学部を選択しました。


しかし、ここまで紹介した夢だけでもたくさんある上、
消防官、自治体公務員、自衛官、教習所の教官、船長などなど、
本当に色んな夢を抱く人生を歩んできました。


そんな私が何故、「防災」を中心とした講師やコンサルタントを目指そうと思ったのか。


全く繋がりが無いように見えて、これらを全部吸収してしまったのです‼︎‼︎


これはこれで話が長くなりそうですし、次回に回しますね\(^o^)/


では、、、


防災アドバイザー  小野修平



2015年11月5日木曜日

どうして、11月5日が津波防災の日なの!?



こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です(^^♪


さて、昨日の記事「津波が……いち早く○○ところへ避難!」は
読んでいただけましたでしょうか?まだの方は、先にチェックを。


今日は、昨日の記事に引き続き、津波のお話をしたいと思います!


本日、11月5日は、「津波防災の日」です。


でも、「なんで今日が津波防災の日なの??」とお思いの方も
いるでしょうから、さっくりと解説しますね!


***


遡ること、今から150年ちょっと前の1854年。
時代としては、江戸時代の後期ですね。


その1854年の11月5日(旧暦)に、
今、世間を騒がせている「南海トラフ沿い」を震源とする巨大地震が
発生したのです。これは、「安政南海地震」という地震です。


国は東日本大震災後、国民の津波防災への理解と関心を深めるべく、
「安政南海地震」が発生したこの日を「津波防災の日」として定めました。


そして、この安政南海地震では、防災の世界では結構有名なお話が
誕生するきっかけにもなりました。


そのお話は、「稲村の火」(いなむらのひ)と言います。
要約すると、、、


***


主人公の「五兵衛」は、大きな揺れが収まった後、庭に出てみると、
下の村に住んでいる住民は逃げる様子もない。


が、海の様子は明らかにおかしい。津波が来る。


そう確信した五兵衛は、家の中から松明(たいまつ)を持ち出し、
なんと、稲束に火をつけたのである。


村民は慌てて五兵衛の家に集まってくる。
若者も老人も、女性も子供も。


慌てて火を消そうとする住民を止める五兵衛。
その行動の理由はすぐにわかった。


津波が下の村を全部飲み込んだのだ。


***


とてもザックリとまとめてしまいましたが、全文を読みたい方は、
稲村の火』で読めます。ちなみに、このお話は国語の教科書に
載っていたこともあったんです。


さて、自分の財産を犠牲にして、村民の命を救った五兵衛ですが、
この人にはモデルがいるんです。そう、実話なんです。


当時、和歌山県で醤油製造業を営んでいた「濱口梧陵(ごりょう)」
という方がモデルになっています。なお、実際には津波から逃げる
住民の導きのために稲束へ火をつけたと言われております。


この教訓を後世に伝えるべく、和歌山県に「濱ロ梧陵記念館」と
「津波防災教育センター」から成る「稲むらの火の館」があるので、
一度訪れてみたいと思いつつ、まだ叶っておりません。


いつか、この施設に訪問できたら、レポートしたいと思っています。


さて。
津波とは、一瞬にして命や財産を奪ってしまう恐ろしいものですが、
とっさの判断ですぐに行動ができれば、命は助かります。


昨日も言いましたが、海岸や河口付近で大きな地震に遭ったら、
「最善を尽くし、高台へ避難する!」ということが大切です。


東日本大震災から4年半以上が経ちましたが、
二度と多くの命が失われないよう、今一度、
「津波の恐ろしさ」と「避難の大切さ」を考えていただければ幸いです。


では。


                               防災アドバイザー 小野修平


2015年11月4日水曜日

津波が……いち早く○○ところへ避難!



みなさん、こんにちは。
防災アドバイザーの小野修平です!


本日は、Twitter(@jyojibousailabo)で、
「参加型防災○×クイズ」をやってみたのですが、
見事に反応無し……


思わず、苦笑いしてしまいました。


ブログを読んでいる方はそこそこ増えてきているので、
反応があるかな、と思ったのですが、現実は甘くないですね。
これからも地道に頑張らなければ。


まだまだフォロワーさんが少ないので仕方ないという気持ちと
皆様、災害への意識が少し低下しているのかな、と少し危惧
する気持ちが入り混じっておりますが、本題へ戻りましょう。


さて、どのような問題を出したかというと、

【参加型防災○×クイズ】明日は津波防災の日。そこで今日は、津波避難に関する問題を出題!「大きな地震!とにかく海岸や河口から遠いところへ逃げよう!」○だと思う方はリツイートを、×だと思う方はお気に入りを!〆切は今日の15時まで。

でした!


正解は~ 「×」です!!


これを子供達に出題すると、「○」と答えちゃうんです。
「遠くに逃げれば安心…」と思うのでしょうね。


しかし、津波避難の原則は、「高いところへ!」なんです。


そして、もう一つ大事なことは、
「諦めず、全力を尽くす!」ということです。


よくテレビなどで報じられていたので、御存知の方も多いでしょうが、
「釜石の奇跡」で有名になった釜石の子供達は、当初指定されていた避難場所に
避難した後も、さらに高いところへ避難していきました。


結果的に、指定されていた避難場所にも津波が押し寄せ、
全力を尽くしていなければ、釜石でもさらに多くの命が失われていました。


海岸や河口付近にいる時に大きな地震が来たら、
「ここまでは来ない」などと考えてしまわず、
全力で高台を目指していくことが大切です。


ところで、明日11月5日は「津波防災の日」です。


その由来はまた別の機会で記事にしたいと思います。今日はこの辺で!


防災アドバイザー 小野修平

2015年11月1日日曜日

【災害食レシピ】さんま缶みそ汁



こんにちは。
防災アドバイザーの小野です。


私の研究テーマの一つとして、「災害食レシピ研究」があります。


これは、備蓄しやすい食品を用いて、ライフラインが止まっていても、
栄養バランスの取れた食事をするためのレシピ研究です!


災害時に届く支援物資は、「おにぎり」、「菓子パン」、「カップラーメン」が中心で、
炭水化物塩分に偏った食事になりがちです。


たんぱく質ビタミンミネラルが不足すると身体が不調になるとともに、
運動不足やストレスに晒された生活を続けていれば、病気になる可能性が高くなり、
高齢者などは死に至る可能性だってあります。


そこで、今日から地道に栄養バランスを重視したレシピを順次ご紹介していく予定です!
慣れない栄養価計算に苦労していますが、頑張っていきます…


さて、今回のメニューは、さんまの缶詰で作る「さんま缶みそ汁」です!!



★★材料(1人分)★★

 ・さんまの缶詰(水煮でも煮付でも可!)……2切(約35g)
  ※1缶(200g)に8切程入っていますので、1缶で3~4人分作れます。
 ・みそ……小さじ2
 ・乾燥わかめ……1g(ティースプーン山盛り1杯分)
 ・お湯……150cc


             (※写真は1人分の材料。)



★★作り方★★


(1)お椀に、「さんま」、「みそ」、「乾燥わかめ」を入れる。




(2)「お湯」(150cc)を注ぎ、みそを溶かしながら混ぜる。




できあがり!簡単でしょ!?



★★特徴★★


・お椀の中で調理をするので、調理器具は不要!


・材料は全て備蓄性の高い食品を使用!
 ⇒さんまの缶詰:約10ヶ月間
 ⇒みそ:約5ヶ月間
 ⇒乾燥わかめ:約1年間


・お湯を沸かす環境さえあれば、調理可能!



「水煮」と「煮付」の2種類を試してみましたが、好みは分かれるみたい…


個人的には、「煮付」の方が美味しいと感じたけれど、
「煮付」は調味料を色々と使っているので、塩分などを気にされる方は
「水煮」を使った方が良いですね!


なお、今回はお椀の中でみそ汁を作りましたが、1杯(150cc)の場合、
みそは「小さじ2」が丁度良いお味になりました。


是非、作ってみてくださいね♪







2015年10月23日金曜日

コンタクトレンズ愛用者・眼鏡愛用者の皆さんへ…



こんにちは。防災アドバイザーの小野修平です。
お久しぶりの更新です(汗


さて、今日はコンタクトレンズや眼鏡を愛用している方へ
是非読んでいただきたい内容を記事にしたいと思います!


まず、コンタクトのお話から。


ちょっと古いデータですが、今から7年前の2008年のデータでは、
日本人の約10人に1人にあたる1500~1800万人の方が
コンタクトレンズを使用しています。(日本眼科学会発表)


ですので、現在ではさらに多くの方がコンタクトレンズを
愛用しているのではないでしょうか?


そんな私も、高校1年生~大学1年生まではコンタクトレンズを
使用していました。今は眼鏡ですが、実は眼鏡よりコンタクト派なんです。


しかし、このコンタクトレンズというのが、災害時には厄介な代物になるのです。


災害時には、コンタクトのケアが十分の出来なくなります。
また、食生活などの乱れから生活習慣が悪化し、免疫力が低下したり、
不衛生な環境下での生活を強いられ、目の病気に罹る可能性が高くなります。


すると、コンタクトを装着することができません。


しかし、目が悪い人にとって、コンタクトが無いというのは本当に悲惨ですよね。
私自身、もの凄く目が悪いので、見えないという辛さを身をもって感じます。


そこでオススメしたいのは、眼鏡への備えです。


おそらく、普段はコンタクトレンズを使用している方でも、
眼鏡は持っているかと思います。


もし、地震で自宅が倒壊しなかったり、水害で被害が無ければ自宅で生活を
するでしょうから、その際にすぐ眼鏡を取り出せる場所に置いておくことが大切です。
この際、地震の揺れや洪水等の被害に遭わないように工夫しておくことは
言うまでもありません。


また、もし余裕があるならば、非常用持ち出し袋に古い眼鏡を入れておきましょう。
人によっては、前の眼鏡があるという人もいるでしょう。少し度が合わないかもしれませんが、
無いよりはマシです。自宅で生活が出来ず、避難所等へ行く場合に一緒に持ち出せるよう、
準備しておくと便利です。


つい、眼鏡やコンタクトレンズが当たり前の生活をしていると、それが無くなった時の
状況を想像しづらいかもしれませんが、これを機に備えをしておくことをオススメします!


ちなみに、私は以前、基本的にコンタクトレンズを使用していました。
併せて、災害にいつ遭っても良いように、眼鏡をケースに入れ、さらに、コンタクトレンズを
外した後にしまっておくケースも持ち歩いていました。


しかし、これが個人的にはかなりめんどくさかったのです…


それから、眼鏡生活に変えてしまったので、現在は眼鏡とコンタクトレンズケースを
持ち歩くということはしていませんが、遠くに出かける時で、コンタクトの場合は
今でもそのセットを欠かさず持って出かけています。


また、大学生は少し難しいかもしれませんが、高校生や社会人などは、学校や職場に
コンタクトレンズのケースを置いておくとか、古い眼鏡を置いておくとか、工夫次第で
出来ることがあるかと思います。


最後に、1つメッセージを。


普段は、眼鏡やコンタクトレンズがあるのが「当たり前」かと思います。
しかし、災害は「当たり前」が通用しなくなってしまうのです。
そこで、普段のライフスタイルを見つめ直し、ちょっとの備えをしておくことで、
困らなくて済むのです。ですから、是非、「今の当たり前が出来なくなったら…」
ということを想像してみてください。


是非、これを機に、眼鏡やコンタクトレンズへの防災対策を
見直してみてはいかがでしょうか?



<参考>
・日本眼科学会:目の病気 コンタクトレンズ障害(1)急増の背景
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_contact.jsp



2015年10月6日火曜日

企業防災は、「三本柱」のバランスが大切です!



こんばんは。防災アドバイザーの小野修平です。


本日は、私の専門分野の一つである「企業防災」のお話です。


「企業防災」とはその名の通り、企業における防災活動ですが、
大きな三つの柱があり、これらのバランスが重要なのです。 


「企業防災」の三本柱とは、

1)初動対応
2)事業継続
3)復旧復興

です。


そして、住宅などの建築物で例えるとわかるように、
この三本柱で「企業防災」が成り立っております。


この柱で支えられている建物(=会社)の中には、
貴方の会社で大切な社員やその家族、取引先、
設備や備品、製品、資金、情報、ノウハウ、社会的信用などなど、
多くの資源(人・物・金・情報)が詰まっているわけです。


一方で、貴方の建物(=会社)は内外から様々なリスクによって、
常に危険に晒されているわけです。


しかし、その建物(=会社)が、

①いずれかの柱が無い。[=対策をしていない]
②いずれかの柱の強度が弱い。[=対策が不十分]
③いずれかの柱の材質が異なる。[=対策が自社に合っていない]

といった状況ではどうなってしまうでしょうか?


答えは、「建物の倒壊」=「会社の倒産」ですよね。


ですが、現状を見てみると、多くの企業が、①〜③のいずれかに
当てはまってしまっているのです。


ますますリスクに晒されていくこの先の将来を考えると、
経営者にとっても、社員にとっても、危機的状況ではないでしょうか?


特に、東日本大震災以降、「2)事業継続」が重視されつつある一方、
「1)初動対応」が影を潜めてしまい、また、「3)復旧復興」への注力は
まだまだ弱いのが現状と言えるでしょう。


これは、あの大津波により、多くの企業でサプライチェーンが寸断され、
倒産や苦しい経営を強いられたことにより、企業防災の三本柱のうち、
「2)事業継続」が世間の脚光を浴び始めたからでしょう。


しかし、企業防災のガイドラインや書籍を見ても、三本柱全ての充実を
理解し、実践できるものが少ないのです。


私は、そんな企業様向けに、「会社と社員を元気にする企業防災」 として、
発災時の「1)初動対応」はもちろん、限られた資源を投入した上での
「2)事業継続」と、いち早い「3)復旧復興」を実現するためのマニュアルづくりと
それに伴う社員研修や訓練を実施するお手伝いをいたします!!


※詳しいプログラム内容及びお申込み方法は10月下旬頃に公開いたします。


                               防災アドバイザー 小野修平

2015年10月1日木曜日

災害時は普段よりも栄養バランスが崩れてしまう・・・



みなさん、こんばんは。
防災アドバイザーの小野修平です!


今日は、災害時の「食事と栄養」 に関する話をしたいと思います。


と言っても、色々と話したいことがあるので、
何から記事にしようか迷ったのですが、災害時にどの栄養素が
不足しがちなのか、というお話をしましょう。


ちなみに、災害時という過酷な状況下での食事は、
元気の源であり、健康状態を保つためにとても重要です!
単に、何かを食べていれば良いというわけではありません。


普段でも、「生活習慣病」予防 ということで、”適度な運動”
”十分な休養””ストレスの少ない生活”はもちろん、
”栄養バランスの摂れた食事”が大切ですよね?


しかし、災害という状況下で、普段以上に栄養の偏った食生活を送ると、
運動や休養の不足、ストレス過多も影響し、体調を崩しやすくなり、
悪化すると、死につながる可能性だってあります。


****


ところで、栄養素と言うと、「五大栄養素」という言葉を聞いたことは
あるかと思います。

1)糖質
2)たんぱく質
3)糖質
4)ビタミン
5)ミネラル

です。


なお、避難所に支援物資として来るものは、「おにぎり」、「菓子パン」、
「カップラーメン」が多くなる傾向にあります。もちろん、贅沢は言えないので、
これらのものを食べますが、1)糖質が中心な食事であり、カップラーメンは、
とても塩分が多いのにも関わらず、スープを捨てられないので、一滴残さず
飲むように促した避難所が、東日本大震災であったと聞いています。
健康に影響が無いわけありませんよね。


ですので、今日は次のことを理解しておきましょう。


★災害時には、1)糖質中心の食事になりがち。

2)たんぱく質4)ビタミン5)ミネラルも摂取できる食事を!



まずは、自宅での備蓄品から見直すことが必要です。


今後の記事では、どういった備蓄品をどのように備蓄すべきか
また、その備蓄品を使い、どのような食事を作るのか、について
お伝えしていきたいと思います。


缶詰を使った料理レシピなど、普段でも食べて美味しい食事を
紹介していきますね♪
(こう見えて、小学生の時の将来の夢がシェフだったもんで…)


では、また。

                             防災アドバイザー 小野修平


2015年9月29日火曜日

教えて!!「無理をしない防災」ってな~に!?



こんばんは。「無理をしない防災」をご提案する、
防災アドバイザーの小野修平です。


最初のうちは、慣れるためにも、毎日ブログを更新しようと思い、
今日で【4日目】を迎えました!(3日坊主は避けられました!!!)


さて、今日は、私が提案する「無理をしない防災」について、
簡単にお話したいと思います。


****


私はこれまでも、子供や地域住民を中心に、防災対策を呼び掛けてきましたが、
その中で、大人の方々がお持ちの悩みには、共通性があることに気が付きました。

悩み① 防災対策の方法(=やり方)がわからない。


まず、多くの方が最初にぶち当たる壁は、

「防災対策と言っても、何から手を付けていいかわからない…」
「防災対策って、何をすれば良いの?」

と言うように、あらゆる防災対策の中で、”何を”、”どのように優先順位を付けて”、
対策を進めていけば良いのかがわからないということです。


また、まだまだ防災対策としては不十分なのにも関わらず、

「うちは、水をたくさん買ったのよ!」

などと自信を持って言われるなど、不足していることに気が付かず、現状で満足して
しまう方も中にはいらっしゃいます。


悩み② 防災対策に手が回らない。


次に、皆さんが直面する課題として、どのような対策をすべきかが
わかっているのにも関わらず、

「防災対策の必要性はわかっているけど、忙しくて…」

と、日常生活の忙しさに追われ、後回しになってしまうのです。


悩み③ 防災対策が長続きしない。


続いての悩みとして、

「たまに思い出したようにやるけど、いつの間にかそのままに…」

ということで、ニュースなどで災害や防災の報道が盛んに行われると、
少しは防災対策を見つめ直し、やってはみるものの、長続きせず、
いつの間にか放置されているような状況に陥ります。

そして、この時に食料や水の消費期限が切れていたり、
懐中電灯の電池が無くなり、使えない状態になっているのに気が付くのです。

まあ、平常時に気が付いただけ、マシではありますが…


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さて、皆さんの悩みをまとめると、、、


(悩み①)防災対策として、何をしたら良いかわからず、
(悩み②)わかったとしても、日常生活に精一杯で手が回らず、
(悩み③)つい、一過性の対策で終わってしまう


ということです。


私は、こういう方々が無防備のまま、地震や火山の噴火などが起こり、
災害に巻き込まれてしまうのを何とか避けられないか、と考えました。


そして、めでたく、答えを見つけたのです。


その答えというのが、「無理をしない防災」なのです。


極論を言えば、日常生活が忙しいのにも関わらず、長続きもしないような方法で、
大きな負担をかけ、防災が嫌いになるような防災対策はしなくて結構だと思います。
やるのであれば、長続きする方法でやりましょう!!


そして、日常生活も忙しいのであれば、少しでも日常生活すらも楽にできたら
これほど嬉しいことはありませんよね。


つまり、「無理をしない防災」とは、


日常生活を少し変えることで、日常生活も豊かになるとともに、
災害時にも役立つ生活に変化させる


ということが鍵なのです。


では、実際に、どのように日常生活を変化させれば、災害時にも役立つのか。


気になるところだと思いますが…またのお楽しみで♪


                                防災アドバイザー 小野修平

2015年9月28日月曜日

【防災クイズ】地震だ!机の下に潜るのは、正しい?間違い?



こんばんは。防災アドバイザーの小野修平です。


今日は、【防災クイズ】の第1弾ということで、
Twitterと連携した企画を行いました!


もし、このブログをご覧の方で、「Twitterをフォローしていないよ~」
という方がいたら、防災の耳より情報などもツイートしていくので、
フォローしていただけると嬉しいですヾ(´ω`)ノ


→Twitterアカウント「@jyojibousailabo」をフォロー♪


さて、記念すべき第1回の問題は、


地震が発生しました。正しい行動は[机の下に潜る]である。


この行動、思わず「正しい(〇)」と答えたくなる方も多いのですが、
実は、地震発生時の身の守り方としては、「間違い(×)」なのです。


先に断っておきますが、もちろん、机の下で身の安全を図ることが、
その時のベストである場合もあります。

しかし、必ずしも、「机の下に潜る」がベストではない、ということを、
私達は把握しておかなければいけません!!


(1)建物倒壊の危険性


まずは、今から20年前の”阪神・淡路大震災”を振り返ってみましょう。


”阪神・淡路大震災”では、新耐震基準が適用される前の
1981年以前に建てられた木造住宅を中心に大きな被害があり、
亡くなった方の8割以上が、家屋倒壊による圧死が原因で亡くなりました。


また、1982年以降に建てられた新耐震基準の建物であっても、
「絶対に倒壊しない」という保証はないとされています。
もちろん、最初の揺れ(=本震)で倒壊しなかったとしても、
その後の度重なる揺れ(=余震)で倒壊する可能性だってあるのです。


さらに、木造住宅とマンションでも倒壊のリスクというのは異なりますから、
自宅がどういう建物で、いつ建てられたのか、が非常に重要なのです。


もし、建物が倒壊してしまったら、机ごと潰される可能性だってありますし、
運良く、机に守られたとしても、救助されるまでに火災に巻き込まれたり、
力尽きることだって、可能性はゼロではありませんよね。


新耐震基準などについては、後日解説したいと思います。


(2)机の材質


次に、机自体の問題を考えてみましょう。


最近は、デザインに富んだオシャレな机が増えていますよね。
私は家具を見るのが趣味の一つなので、オシャレな机に憧れます。


しかし…、
ガラスの机の下に潜りますか?
薄っぺらい木材でできた机の下に潜りますか?


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以上のことから、地震が発生した時の正しい行動を考えてみましょう。


大前提は、地震が起きたら、”身の安全を図る”ことを最大限考えましょう!


もちろん、大きな揺れで身動きが取れず、近くに机がある場合などは、
少しでも頭を守った方がいいので、机の下に潜りましょう。


一方で、木造住宅などで家屋の倒壊の危険性がある場合は、
玄関などすぐに逃げ出せる場所の方が安心かもしれません。
(※その代わり、玄関に危険な物がたくさんあるようではダメですよ~)


そもそも、机の下に潜るというのは、皆さんが子供時代に避難訓練を
何度も繰り返し、取り組んできた成果だと思います。


学校の建物は鉄筋コンクリートで造られていることが多いので、
大きく倒壊することは少ないでしょう。(※ゼロとは言い切れませんが…)


しかし、学校では天井材や蛍光灯、窓ガラスなどで怪我をする可能性があるため、
机の下に潜るということを大前提としています。


一方で、地震が発生した時、必ず机があるとも限らないわけなので、
机が無い場所でも身を守ることができるようにしておく必要がありますね。


****


さて、話を整理しておきます。


まずは、お住まいの建物がどういう建物なのか、そして、いつ建てられたのかを
きちんと把握しておきましょう。


その上で、倒壊のリスクが高い建物で地震に遭遇した場合、出来るならば、
玄関や屋外に移動した方が助かる確率が上がる場合があります。
その際、慌てた行動は、怪我の元にもなりますから、日頃から安全な空間づくりを
するとともに、揺れが来たら、落ち着いて行動するようにしましょう。


もし、移動することが困難だったり、すぐに身近な机の下で身の安全を
図った方がいい場合は、机の下に潜りましょう。


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今日はここまで。


ちなみに、机の下でどうやって身を守るのか
そして、机が無い場所でどうやって身を守るのか
また、次の機会でご紹介していきたいと思います。


                                   防災アドバイザー 小野修平


2015年9月27日日曜日

御嶽山の噴火から1年…多くの犠牲を無駄にしないために。



こんにちは。防災アドバイザーの小野修平です。


さて、今日は、「9月27日」ですが、ちょうど1年前の今日、
御嶽山(岐阜県・長野県)が噴火しました。今日は、その話をしたいと思います。


死者・行方不明者合わせて、63名の方が犠牲になったわけですが、
まずは、亡くなった方にご冥福をお祈りするとともに、
ご遺族の方々に心よりお見舞い申し上げます。


この御嶽山の噴火は、戦後最大の犠牲を出した火山災害として、
テレビや新聞で盛んに取り上げられていますが、
私にとっても、大きな意味を持つ災害でもあります。


思い返すと、去年のこの日は、小学校の運動会の手伝いがあり、
終わってから携帯のニュースを見ると、御嶽山が噴火したというニュースが。


もともと、防災教育に興味があり、毎月のように子供達の前で、
防災に関する実験を見せ、身の守り方などを教えていた私は、
ちょうどこの噴火の6日前にも、火山の噴火実験を行いました。


そこでは、火山の噴火の様子を説明するとともに、
「火山は噴火する前に兆候があるから、噴火する前に避難しよう!」
ということを教えました。


だからこそ、噴火を知った時は、衝撃でした。


兆候はあったのか?避難の呼び掛けはあったのか?
(それと合わせて、子供達に教えていたことは、正しかったのか!?ということも気になりました。)


”マグマの動きを示す、火山性微動の観測がなかったため、警戒レベルの
引き上げは行わなかった” というのが、気象庁の見解です。
(※今回は、火山のメカニズムを解説するわけではないので、詳細は割愛します。)


少し踏み込むと、普段とは違う現象が起きていたのは確かですが、
それが噴火に繋がるのかどうか、という判断はできなかったということです。


つまり、”(普段とは異なる)兆候はあったものの、避難は促されなかった”
これが、御嶽山噴火の実情です。


ですから、当時は、当たり前のように、
「火山は噴火する前に兆候があるから、噴火する前に避難しよう!」
と教えていましたが、現代の科学では限界があり、必ず噴火するという
兆候が捉えられ、さらに、適切に避難を促す呼びかけがあるとは限らない
ということを、身をもって感じたわけです。


そして、この災害のことを調べていて、もう1つ、衝撃的な事実を
知ることになるのです。


それは、噴火した際に、身の守り方を全員が知っていれば、
ひょっとしたら、被害者が出なかったのではないか、ということです。


噴石は噴火の勢いで飛びますが、それが地上に落ちてくるまでに
多少の時間があります。そして、もちろん場所や噴石の大きさにもよりますが、
今回の噴火では、”40秒程度”の時間はあったのではないか、ということです。


つまり、噴石が落ちてくるまでに避難すれば、助かったかもしれないのです。
(※実際、噴火した付近には、多くの避難小屋があります。)


しかし、助かった人と助からなかった人を分けたのは、
噴火後、避難をしたか、避難をしなかったのか、ということです。


実際、亡くなった方のカメラには写真が残っていたりなど、噴火後にその様子を
写真に撮ったり、眺めたりしてしまった方が大多数のようです。
また、噴火に驚き、何が起こったのかもわからず、立ち尽くしてしまった方も
少なからずいたようです。


私は、防災教育の必要性を感じてはいたものの、
そこまで本腰を入れていたわけではなかったので、
自分の中途半端に気づかされ、反省する災害でした。


多くの犠牲になった悲しい災害ですが、その一方で、
 犠牲を無駄にしないために、
  しっかりと災害の教訓を生かし、
   多くの人に伝えていかなければいけない
と思います。


改めて、亡くなったからに哀悼の意を表します。
そして、必ず、教訓を多くの人に伝えていきます。


                                防災アドバイザー 小野修平